移植後のEBウイルス感染のモニタリングをサポート「コバス EBV」発売 ロシュ・ダイアグノスティックス

 ロシュ・ダイアグノスティックは28日、移植後のEBウイルス感染のモニタリングをサポート「コバス EBV」を26日に発売したと発表した。同品は、臓器移植患者および造血細胞移植患者において移植後の感染症を引き起こすEBウイルス(EBV)DNAをリアルタイムPCR法で定量的に測定する体外診断用医薬品。
 移植後の患者は免疫抑制状態にあるため、体内に潜伏感染状態にあったウイルスが再活性化することがある。ヘルペスウイルスの一つであるEBV(エプスタイン・バーウイルス)は、そのような免疫抑制状態にある移植後の患者に移植後リンパ球増殖症(PTLD)を引き起こす可能性がある。
 EBVは、若年のうちに感染していることが多く、日本人のEBVの抗体保有率は2~3歳までに70%ほど、20歳代では90%以上におよぶとの報告がある。
 また、EBVは感染すると生涯潜伏感染し、免疫が抑制された状態におかれると再活性化するという性質がある。移植後に起こるPTLDの80%以上がこのEBVの再活性化によるものと言われており、PTLDの発症の予測や治療効果の確認にEBVの核酸定量検査が有用であることが示唆されている。
 「コバス EBV」は、リアルタイムPCR法を原理とする全自動遺伝子検査装置「コバス 6800 システム」または「コバス 8800 システム」を用いて血漿中のEBV DNAを定量的に測定する遺伝子検査キットである。EBVの核酸定量検査は、これまでも臨床検査会社等で独自の測定系により実施されていたが、WHOの国際標準物質(WHO 1st Standard)を用いた値付けがされた体外診断用医薬品の活用により、国内のEBV検査が標準化されると期待されている。
 製品概要の概要は、次の通り。
◆製品名:コバス EBV
◆測定原理:リアルタイムPCR法
◆主な測定目的:血漿中のEBウイルス (EBV) DNAの測定
◆包装回数:192テスト
◆適応機種:コバス 6800 システム または コバス 8800 システム

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