ペプチドリームとCNSターゲットのPDC医薬品創製でパートナーシップ拡大 武田薬品

 武田薬品は27日、ペプチドリームとの共同研究および独占的ライセンスの枠組み拡大契約を締結し、これにより中枢神経系(CNS)ターゲットの創製に向けた取り組みを推進すると発表した。
 契約締結は、慢性神経変性疾患において重要な役割を担う複数のCNSターゲットについて、ペプチド-薬物複合体(Peptide Drug Conjugate、PDC医薬品)の創製推進を目的としたもの。
 今回の共同研究の拡大により、神経変性疾患に関連する複数のCNSターゲットに対してTfR1結合ペプチドリガンドを用い、武田薬品がTfR1結合ペプチドと医薬品候補化合物の複合体を作成して、医薬品候補化合物に血液脳関門(BBB)通過能を付与する研究が行えるようになる。
 今回の契約締結に伴い、ペプチドリームは、武田薬品から契約一時金を受領する。また、今後、ペプチドリームは、同契約によって発生する契約一時金、ならびに今後の非臨床および臨床試験の進捗、製品の発売および製品の正味売上高に応じたマイルストーンフィーとして、総額で最大約35億ドル(約3903億円)を受け取る可能性がある。
 加えて、ペプチドリームは、これらに加え製品化後の正味売上高に応じたロイヤルティーを受領する権利を有している。
 武田薬品とペプチドリームは、昨年12月22日に神経筋疾患領域における複数のPDC医薬品の創製に関する包括的な共同研究および独占的ライセンス契約を締結。ペプチドリームとJCRファーマが開発したトランスフェリン受容体1(TfR1)結合ペプチドと武田薬品が選択した医薬品候補化合物の組み合わせによるPDC医薬品の創製に関して共同研究を進めてきた。
 今回の共同研究の拡大により、医薬品候補化合物に血液脳関門(BBB)通過能を付与する研究が行えるようになるのがポイントだ。
 神経変性疾患に効果的な医薬品の開発で大きな課題となるのが、治療薬物のBBB通過能を高め脳内に送達させる技術である。TfR1結合ペプチド(キャリアペプチド)を各種の治療用化合物に結合させることで、化合物のBBB通過能を高め脳内に取り込まれるため、医薬品としての機能が著しく向上する。
 このTfR1 BBBシャトルアプローチは、BBBの通過が困難なままである治療法の開発を加速する可能性がある。また、このアプローチは現在治療薬がほとんどないか、または全く存在しない数多くの神経変性疾患を効果的に治療するために必要とされる広い脳領域への薬物の生体内分布を可能にする可能性がある。

◆武田薬品ニューロサイエンス治療領域部門ヘッドのSarah Sheikh氏のコメント
 昨年12月に開始した武田薬品とペプチドリームによる神経筋疾患に関する共同研究は大きく前進し、このたび研究内容を拡大して神経変性に取り組むプログラムを立ち上げるに至った。
 ペプチドリームのTfR1結合技術は、複雑な神経障害の治療薬の開発にあたって直面する生体内分布の課題の解決に大きく役立つものとなるだろう。このたびの共同研究は、世界最先端のニューロサイエンス研究の前進に向けた武田薬品の取り組みを示すものである。
 当社が湘南にもつ世界レベルの湘南研究所がペプチドリームをはじめとするパートナーと力を合わせて研究を進めていく。

◆舛屋圭一ペプチドリーム取締役副社長のコメント
 武田薬品とTfR1結合ペプチドを用いた取り組みのさらなる拡大により、従来問題となっていた薬物の脳内への取り込み効率を向上させ、CNS疾患を対象とする医薬品開発における大きなハードルが下がることで、画期的な新薬開発の加速に貢献できるものと期待している。
 武田薬品とは、神経筋疾患領域のみならず、CNS疾患領域の研究者とも協業を始められることを大変楽しみにしている。

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