大阪府薬剤師会は19日、第17回定時総会、第142回通常代議員会をWEB開催し、18日に閣議決定された骨太方針2021における薬局・薬剤師に関する施策にしっかり対応していくことを確認した。また、令和2年度決算として、負債及び正味財産合計として40億7658万0668円(対前年比3080万8213円減)などを承認した。
始めに乾英夫会長は、「新型コロナワクチン接種で多くの薬剤師が、行政、地域の医師会と連携しワクチンの希釈・充填・予診票のチェックなどで、薬剤師職能を発揮している」と明言。さらに、「6月7日には大阪市、18日から大阪府が大規模集団接種を開始した。集団接種では、予診票のチェック等を各地域の先生にお願いしたところ多くの応募があり、改めて薬剤師の認識の高さを確認した」と訴えかけた。
18日に閣議決定された骨太方針2021には、薬局・薬剤師に関する施策として、①掛かり付け薬剤師・薬局の普及を進めるとともに、多剤・重複投与への取り組みを強化する、②医師と薬剤師の連携を前提とした医療機関に行かずに一定期間内に処方箋を反復利用して患者の通院負担を軽減する方策(リフィル処方箋)の検討、③後発医薬品メーカーの不祥事を踏まえた現状を受けての信頼性の確保に向けた取り組みの重要性、④処方箋が無くても緊急避妊薬を薬局で適切に利用できるようにすることの検討(本年度中)ーなどが盛り込まれている。
乾氏は、「2025年に向けての地域包括ケア構築における薬剤師・薬局の役割が“患者のための薬局ビジョン”に明確に示されている。その実現に向けて、今回の薬機法改正や調剤報酬改定が実施された。骨太方針2021における薬局・薬剤師に関する施策を頭に入れた上で、しっかりと対応していきたい」と強調した。
代議員会の質疑応答では、赤字になっている会営南河内薬局の今後の方針についての質問があり、道明雅代副会長が、「2021年度の事業を行いながら、閉局も含めて検討していく」考えを改めて示した。