皮膚潰瘍治療の機能性ペプチド P3試験開始およびマイルストーン収入確定  ファンペップ

 ファンペップは16日、皮膚潰瘍治療の機能性ペプチド「SR-0379」について、P3相験を開始し、それに伴う提携先の塩野義製薬からのマイルストーン収入1億2500万円が確定したと発表した。
 ファンペップが6月1日に医薬品医療機器総合機構(PMDA)に提出していた「SR-0379」の皮膚潰瘍患を対象とする日本でのP3試験の治験計画届が、PMDAによる所定の調査を終え、P3試験開始に至ったもの。
 同P3試験は、プラセボ対照二重盲検比較試験で、簡単な外科的措置(縫合、植皮、有茎皮弁)が必要な皮膚潰瘍(褥瘡、糖尿病性潰瘍及び下腿潰瘍等)の患者(目標症例数:120 例)を対象に、SR0379 又はプラセボを二重盲検下で1日1回、28日間投与した際の有効性及び安全性を検討する。
植皮等の簡単な外科的措置が必要な皮膚潰瘍は、皮膚が深く欠損した状態にある。そのため、感染をコントロールしながら、皮膚の再生組織である良性肉芽の形成を促進して創底の状態を改善し、植皮等が生着可能な状態まで創傷の状態を早期に改善させることが重要である。
 こうした理由から同試験では、「簡単な外科的措置に至るまでの日数」を主要評価項目として設定し、SR-0379の投与により、植皮等が生着可能な創底状態に皮膚潰瘍が改善するまでの期間の短縮を確認する。
 SR-0379は、20個のアミノ酸からなる機能性ペプチドの開発化合物で、血管新生や肉芽形成促進を主たる作用とし、抗菌活性を併せ持つことが特徴だ。
 皮膚潰瘍は、皮膚のバリア機能が欠損した状態にあり、創面には様々な細菌が付着している。細菌増殖により感染状態になると創傷治癒が遅延し、更に敗血症により重篤な状態が生じる可能性があるため、細菌、感染のコントロールが重要となる。
 SR-0379は、同じく創傷治癒促進作用を持つ既存薬とは異なり、抗菌活性を有している。また、SR-0379 は、今後拡大が予想される在宅医療でも使用しやすい簡便な投与方法(常温保存可能なスプレー剤)なので、幅広い患者の治療への貢献が期待される。
 ファンペップは、SR-0379 の開発により、高齢化社会を迎え重要性が増している褥瘡等の皮膚潰瘍の早期回復を促進し、患者の QOL向上に対する貢献を目指している。
 同件の業績への影響については、提携先の塩野義製薬からのP3試験開始に伴うマイルストーン収入1億2500万円が確定したので、2021年第2四半期の事業収益として計上する。
 なお、同マイルストーン収入は、2021年12月期業績予想(2月10日公表)に織り込み済であり、業績予想の修正はない。

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