新型コロナ感染拡大鎮静のために円滑なワクチン接種推進を 新宿区 さこむら内科院長 迫村泰成

 インドでは double mutantという強力変異種が流行、感染者の急拡大(1日当たり感染者数 世界最高を更新)ニューデリーでは酸素が不足、病院で酸素投与ができなくなっている状況とBBCで報道されていました。日本でも5例見つかっていると聞きます。
 それとは別の変異ウィルスなのでしょうが、大阪、兵庫では感染拡大、酸素低下しても対応する病床が確保できず自宅待機となる状況があります。すでにインドと同様、救える命が救えない国になりつつあるということです。
 在宅医療に携わる医師の間でも、自宅待機中にできうる対応を話し合っています。酸素投与だけでなくデキサメサゾンやレムデシビルのような本来であれば病院で投与するべき薬剤を処方しなければいけないかもしれません。
 東京がそうならないようにするためには、人と人の接触を遮断することが最も有効である。理屈で言えば、”時間よ、止まれ”で、すべての人が14日間誰とも会わない生活をすればウィルスは駆逐されるということでしょう。でも、人間社会はそうはいきません。どこで折り合いをつけるか、それぞれの判断が問われています。
 同時に大きな国家プロジェクトである国民へのワクチン接種をいかにすばやく円滑に進めるか。パワーアップする新型コロナウィルスの大津波を鎮めるため、何としてでも成し遂げる必要があります。高齢者、医療介護従事者からスタートし、なるべく多くの年齢層に対しできるだけ短期間に打つことが、私たちに課された喫緊のミッションです。
 このプロジェクトは、誰にとっても初めての試みであり、予定したとおりにできるはずはありません。国が供給するワクチンを現場が知恵を生かして繰り回していく。そのための仕組みを地域課題として話し合い、行政・医師会をはじめ関わる方々とともに形作っていく。やはり今までの「地域包括ケア」を作るプロセスそのものではないでしょうか。

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