大日本住友製薬は13日、米国連結子会社のユーロバントが12日(現地時間)より米国でβ3アドレナリン受容体アゴニストの過活動膀胱治療剤ジェムテサ(一般名:ビベグロン)を新発売したと発表した。適応症は、成人の切迫性尿失禁、尿意切迫感および頻尿の症状を伴う過活動膀胱(OAB)。
OABに罹患している患者は、切迫性尿失禁、尿意切迫感および頻尿の症状を呈することで、日常生活に重大な影響を受ける可能性がある。同剤は、膀胱の排尿筋を弛緩させることにより畜尿機能を高め、OAB の症状を軽減する。
同剤は、昨年12月、FDAに承認されており、添付文書に尿意切迫感回数のデータが掲載され、血圧上昇の警告がない最初で唯一のβ3 アゴニストになる。
臨床試験において、同剤は投与12週時点でプラセボと比較して3 つの主要なOABの症状すべての有意な改善が示された。なお、β3アゴニスト系の薬剤に認知機能の低下との関連は示されていない。
ユーロバント社社長兼CEOのジム・ロビンソン氏および、カナダ王立内科外科医大学フェロー、Alliance Urology Specialistsのスコット・A・マックディアミッド氏(泌尿器科医師)
、ユーロバント社 Executive Vice PresidentでCommercial 担当のウォルト・ジョンストン氏のコメントは、次の通り。
◆ジム・ロビンソン氏:当社は、OABの煩わしい症状に新しい治療オプションを必要としている患者さんと医療従事者に本剤を提供できることをうれしく思う。本剤の発売は、当社にとって初めての製品であり、重要なマイルストンである。
また、本剤は、約10年ぶりに承認されたOABの新規経口治療剤となるため、泌尿器科コミュニティ全体にとっても重要なことである。
◆スコット・A・マックディアミッド氏:本剤の発売は、OAB の症状を管理するための安全で効果的な治療オプションを患者さんに提供する上で重要である。本剤が新しいβ3アゴニストとしてOAB治療の最前線に登場することで、患者さんを中心とした治療を提供できるようになる。
◆ウォルト・ジョンストン氏:多くの患者さんが OABの症状に苦しんでいる。当社は、泌尿器科、長期療養施設の専門医、その他の医療従事者に本剤を提供することに取り組んでいる。包括的な医師と患者さんへの啓発により、本剤が全米で利用可能となることを期待している。