五苓散(ソウジュツ配合)による天気頭痛改善の新たな作用メカニズム発見  熊本大学とロート製薬

天気頭痛で悩む人々へのサポートに期待

 熊本大学とロート製薬は18日、新たな天気頭痛モデル試験系を用いた研究により、五苓散(ソウジュツ配合)は、気圧変化による脳血流量への影響を低く抑えるというロキソプロフェンとは異なる作用機序で、天気頭痛に悩む人々に期待できると発表した。
 天気頭痛とは、天気(気圧)の変化等で起こる頭痛を意味する。同研究成果は、熊本大学大学院生命科学研究部の倉内祐樹助教とロート製薬との共同研究によるもの。同研究において、気圧が低下すると脳血流量が増加し、その後通常気圧に戻しても、元の脳血流量まで減少・回復しないことが判明した。
 一方、五苓散(ソウジュツ配合)を投与すれば、気圧の低下による脳血流量の増加を抑制し、通常気圧に戻すと、元の脳血流量まで減少・回復することが判った。さらに、有名な鎮痛成分であるロキソプロフェンにおいては、気圧の低下による脳血流量増加を抑制したものの、通常気圧に戻しても、元の脳血流量まで減少・回復しないことも判明した。
 これにより、五苓散(ソウジュツ配合)は、脳血流量を減少させる点において、ロキソプロフェンとは異なる作用機序を持つことが示唆された。
 同研究結果から、五苓散(ソウジュツ配合)が天気頭痛で悩む人々をサポートできるものと期待される。同研究内容は、第94 回日本薬理学会年会で10日に学会発表された。
 頭痛は、様々な要因により引き起こされ、中には気圧や湿度などの天気の変化がきっかけとなり発症する「天気頭痛」を持つ人もいる。一般的な対処法として、鎮痛剤が使用されているが、症状によってより良い選択ができるよう、多くの対処法が期待されている。
 こうした中、今回の研究では、気圧を低下させて行う新たな天気頭痛のモデルを用いた五苓散(ソウジュツ配合)の効果を検証した。また、有名な鎮痛成分であるロキソプロフェンについても同様の試験を実施し、比較を行った。

図 1 気圧低下時の脳血流量の比較
(投与なし、五苓散(ソウジュツ配合)、ロキソプロフェンの比較)


試験方法:
天気頭痛モデル(気圧調整できる室内にて、薬剤投与後、通常気圧1時 間、気圧を-50hPa 低下させて1時間、そして通常気圧に戻して1時間観察したモデル)において、脳血流量を測定した※1。気圧を低下させる10 分前からの脳血流量変化を示した。
※1 図1、図2共に CMOS イメージングデバイス(熊本大学と奈良先端科学技術大学院大学共同開発機器)使用

 その結果、気圧を低下させた際、脳血流量は増加したが、五苓散(ソウジュツ配合)とロキソプロフェンをそれぞれ投与すると、脳血流量増加を抑制することが判った(図1)。
 また、気圧を低下させた後、通常気圧に戻すと、投与なしあるいはロキソプロフェン投与によっても、元の通常気圧時の脳血流量まで減少・回復しなかった。
 だが、五苓散(ソウジュツ配合)投与によって、元の通常気圧時の脳血流量まで減少・回復することが判った(図2)。

図2 初期の通常気圧時と気圧低下後の通常気圧時の脳血流量の変化
(投与なし、五苓散(ソウジュツ配合)、ロキソプロフェンの比較)


 

試験方法:
天気頭痛モデル(気圧調整できる室内にて、薬剤投与後、通常気圧1時 間、気圧を-50hPa 低下させて1時間、そして通常気圧に戻して1時間観察したモデル)において、初期の通常気圧時と気圧低下後の通常気圧時の脳血流量の変化量を棒グラフで示した※1。Mean ± S.E.M. n = 4. One-way ANOVA followed by Dunnett’s multiple comparisons test. *: p<0.05

 同研究により、五苓散(ソウジュツ配合)は、ロキソプロフェンとは異なり、気圧変化による脳血流量への影響を低く抑えることで天気頭痛に効果を表すことが示唆さた。
 これらの研究成果は、五苓散(ソウジュツ配合)が、天気頭痛で悩む人々を、ロキソプロフェンとは異なる新たな対処法としてサポートし、気圧変化に負けない体質へと導いてくれるものと考えられる。

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