新型コロナワクチン接種希望者は6割強で60歳以上が積極的 関西大学社会安全学部が2回目の調査

土田氏

 関西大学社会安全学部の土田昭司研究室は10日、新型コロナワクチン接種に関する2回目の意識調査結果を発表した。
 同調査は、2月22~26日までオンラインで実施し、大阪府、東京都、中国・四国9県、東北6県、北海道の5地域それぞれ20歳から69歳の男女300名、計1500名から回答を得たもの。
 今回の調査では、新型コロナウイルスワクチンを接種したい人は6割強、12月よりも15.4ポイント接種希望者が増加した。また、60歳代の接種希望者は、74.6%で、接種を強く望む傾向がみられた。
 調査結果をもとに土田氏は、「接種希望は状況次第で変わる可能性があり、政府や自治体は正確な情報提供を続けるべき」との考えを示している。
 新型コロナワクチン接種に関する2回目の意識調査結果の概要や土田教授のコメントは、次の通り。

■ 新型コロナウイルスワクチンを接種したい人は6割強。男性では66.7%、女性では58.5%

 コロナワクチンを「接種したい」と回答した人は62.6%(「どちらかといえば」を含む)、「接種したくない」は17.9%(同)、「どちらともいえない」が17.1%、「わからない」が2.5%であった。
 12月初旬の第1回調査よりも、接種したいが15.4ポイント増加し、接種したくないが5.8ポイント減少した。第1回調査と同じく男性のほうが女性よりも接種に積極的であった。

■ 60歳代の4人に3人が接種を希望

 特に新型コロナウイルスワクチン接種希望者が多かったのは60歳以上の人たち(74.6%)であった。[調査では70歳以上の人を回答対象者としなかったため70歳代以上の人の接種希望は不明]60歳代の人たちは、50歳代以下の人たちよりも、ワクチンの有効性を高く評価する人が多く、ワクチン接種による深刻な副作用(副反応)はないと考える人も多かった。

■ 接種希望は状況次第で変わる可能性がある

 今回の調査では、新型コロナウイルスワクチン接種希望者は6割強であったが、12月調査の第1回調査のときに、仮に「世間の多くの人が接種している」、「接種が法律で義務づけられた」としたら接種するとした人も6割強であった。
 さらに2月調査で、仮に「既に接種した人に軽微な副作用(副反応)があった」場合の接種希望は37.8%にすぎなかった。接種希望者が6割強という数字は、安定的なものではなく、状況次第で変わる可能性があると思われる。

■土田教授のコメント
 2月17日から医療関係者への新型コロナウイルスワクチン接種が始まり、ワクチン接種が現実味を持って認識されるようになった。新型コロナウイルス感染により重症化しやすいといわれている「高齢者」が特にワクチン接種を希望している。
 一方、若い世代は、接種の機会がまだ先であり様子見をしているのかもしれない。今のところワクチン供給量は少ないものの医療関係者への接種は続いており、ごく少数の副反応症例においても症状は回復したと報じられている。
 この状況が6割強の接種希望率をもたらしているのだろう。「軽微な副作用(副反応)がでた」との仮定で接種希望者が3割台まで低下したことから、今後の状況次第で接種希望が変化する可能性がある。政府や自治体は今後も正確で“寄り添う”情報提供を続けるべきである。

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