認知行動療法アプリの臨床開発・販売でDTアクシスとライセンス契約  田辺三菱製薬

 田辺三菱製薬は1日、DTアクシスと、同社がうつ病治療用医療機器として開発準備を進めてきた認知行動療法アプリ「MTD-810」の医療機器製造販売承認取得をめざした臨床開発および販売に関する権利の許諾について、2月5日にライセンス契約を締結したと発表した。加えて、同社が、三菱UFJキャピタル、日本政策投資銀行、ひまわり製薬との共同で、DTアクシスに出資したことも明らかにした。
 DTアクシスは、治療用アプリの開発および販売を業務としており、MTD-810のライセンス契約は、DTアクシスの開発プロジェクト第一号となる。DTアクシスでは、2021年度からMTD-810の臨床試験を開始する予定だ。
 MTD-810は、京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻健康増進・行動学分野の古川壽亮教授と、国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センターの堀越勝センター長による研究開発の成果をもとにしたもの。田辺三菱製薬が臨床試験用に制作した精神療法の一つである認知行動療法(Cognitive Behavioral Therapy)に基づくうつ病治療用アプリだ。
 田辺三菱製薬は、2020年に、京都大学と国立精神・神経医療研究センターとライセンス契約を締結し、医療機器としての製造販売承認を取得するために必要な臨床試験の準備を進めてきた。
 同社は、従来の低分子や抗体に加えて、MTD-810や、生活習慣病を対象とした保健指導サポートアプリ「TOMOCO」など、デジタル技術を活用した新たなモダリティの開発に積極的に取り組んでいる。MTD-810のライセンスと同共同出資を通して、うつ病と闘う患者へ一日も早くMTD-810の提供を目指す。
 田辺三菱製薬では、今後も、医薬品の研究開発に取り組むとともに、医薬品とデジタル技術や新規テクノロジーを融合させたイノベーションを通して、患者の治療の機会を拡げ、アンメットメディカルニーズに応えていく。

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