tezepelumab コントロール不良重症喘息患者P3試験で好結果  アストラゼネカとアムジェン

 アストラゼネカとアムジェンは2月26日、tezepelumabのP3相NAVIGATOR試験において、コントロール不良の重症喘息患者の年間喘息増悪率 (AAER)で統計学的に有意かつ臨床的に意味のある抑制を実証した良好な結果を得たと発表した。同結果は、米国喘息・アレルギー・免疫学会のバーチャル年次総会で報告された。
 Tezepelumabは、ファースト・イン・クラスの新薬候補で、SoCへのプラセボ追加療法に比べ、52 週間にわたり患者集団全体で統計学的に有意かつ臨床的に意味のある 56%のAAER の抑制 (p<0.001)を示した。 SoCとは、経口ステロイド薬 (OCS) 併用の有無を問わず、中用量もしくは高用量の吸入ステロイド薬 (ICS)に、少なくとももうひとつの喘息コントロール薬を加えた治療を指す。
 Tezepelumabは、P2相およびP3相臨床試験においてベースライン時の血中好酸球数に関わらず、重症喘息患者の広範な集団において一貫して有意に AAER を抑制した唯一の生物学的製剤である。
 サブグループにおいても、ベースライン時の血中好酸球数が300cells/µL未満の被験者において、tezepelumabは統計学的に有意かつ臨床的に意味のある41%の AAER の抑制(p<0.001) を達成した。AAER の同様の抑制は別の2つのサブグループ(被験者の39%にあたるベースライン時の血中好酸球数が150 cells/µL未満の患者、および被験者の70%にあたるベースライン時の血中好酸球数が300cells/µL以上の患者)においても見られた。
 加えて、アレルギーの状態や呼気中一酸化窒素濃度 (FeNO) のレベル、臨床医が治療選択をする際に用いるバイオマーカーを問わず、tezepelumab 投与群においてプラセボに対する AAER の抑制が見られた。
 また、tezepelumabは、プラセボに対し、呼吸機能測定値、喘息コントロールおよび健康関連の生活の質を含むすべての主な副次的評価項目においても統計学的に有意な改善を示した。
 有害事象は、Tezepelumab 投与群とプラセボ群でそれぞれ77.1%、79.5%に発現した。また、重篤な有害事象はそれぞれ8.7%、13.2%に発現した。
 最も頻繁に報告された有害事象としては鼻咽頭炎、上気道感染症および頭痛が挙げられる。
 英国ロンドンのロイヤルブロンプトン病院肺部門部長でNAVIGATOR試験の治験総括医師のAndrew Menzies-Gow教授は、「これらは、吸入薬による標準治療と現在承認されている生物学的製剤による治療を受けているにも関わらず、消耗性の症状の継続と直面している多くの重症喘息患者にとって画期的な結果である」と説明。
 さらに、「Tezepelumabは、好酸球性フェノタイプにかかわらず広範な重症喘息患者集団に対する治療を変革する可能性を有している」とコメントしている。

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