東京都医学総合研究所 (理事長・田中啓二氏) は、2月12日に一般人向け講演会として都民講座 「がんを“治す”への挑戦:悪いタンパク質を狙って壊す新戦略」をオンライン形式で開催する。当日は、「がん細胞のタンパク質を壊す薬の開発」をテーマとした内藤幹彦東京大学大学院薬学系研究科特任教授の講演などを予定している。
同講演会の主な概要は次の通り。
①日時 2月12日(金曜日)午後5時30分から午後7時まで
②開催方法 Web会議システム「Zoom」によるオンライン開催
③演題
◎「タンパク質を狙って壊す細胞内のしくみ」=佐伯泰氏(東京都医学総合研究所 蛋白質代謝プロジェクトリーダー)
◆講師プロフィール:
2003年北海道大学大学院薬学研究科修了。博士(薬学)。癌研究会がん研究所博士研究員(学術振興会特別研究員)を経て。2013年東京都医学総合研究所副参事研究員。2018年より現職。
◆講演内容:
細胞内のタンパク質は千差万別の寿命をもち常に入れ替わっている。このタンパク質の新陳代謝が乱れると異常なタンパク質が生じて神経変性疾患やがんなどの様々な病気を引き起こすことがわかってきた。それでは異常なタンパク質はどのように分解されるのか? 同講演では細胞がもつ選択的なタンパク質分解システムのユビキチン・プロテアソーム系について概説するとともに、佐伯氏らの研究成果を紹介する。
◎「がん細胞のタンパク質を壊す薬の開発」=内藤幹彦氏(東京大学大学院 薬学系研究科タンパク質分解創薬社会連携講座 特任教授)
◆講師プロフィール:
1987年東京大学大学院薬学系研究科博士課程修了。博士(薬学)。日本学術振興会特別研究員(PD)を経て1989年より東京大学応用微生物研究所に所属。1995年東京大学分子細胞生物学研究所助教授。その後、国立医薬品食品衛生研究所機能生化学部長を務め、2018年より現職。
◆講演内容:
がん細胞には正常細胞と異なるタンパク質がたくさんあり、これらのタンパク質が細胞を悪性化している事がわかってきた。
これらの悪いタンパク質を分解する新しい薬の開発が進んでいる。内藤氏らが開発しているスナイパーは、細胞が持っているユビキチン・プロテアソーム系をハイジャックしてがん細胞の悪いタンパク質を分解する。同講演では、がん治療の現在の状況を概説すると共に、佐伯氏らの研究成果を紹介する。
⑤参加
定員500名(事前申込、先着順)、参加費無料
⑥申込
2月2日(火曜日)までに、メールで申し込む。件名を「第5回都民講座申込」とし、氏名(ふりがな)、電話番号(日中のご連絡先)記入の上、申込専用アドレス(tomin@igakuken.or.jp)まで。