都市部の高齢者優先に安全に早くワクチン接種を 新宿区 さこむら内科院長 迫村泰成

都市部の高齢者優先に早くワクチン接種を考える時期なのでは?

「高齢者の重症化・死亡」こそが、コロナが2類感染症指定(結核などと同等)である所以。確かに感染拡大により、欧米では高齢施設で累々とした屍の山が築かれ悲惨なことになってます。一方、若年者は軽症であり、この年代による予後の差さえなければ、5類相当(季節性インフルエンザなど)にしても構わないようにも思います。

コロナウィルスがまだ散発的に出ている状況では、ユニバーサルマスクをし社会的ディスタンスを必ず守る、密にならないことで、高齢者までウィルスが及ぶことは少なく重症化や死亡も抑えられていた。

第1波、第2波とヒタヒタ近づいてきた小津波が、大きな第3波となって高齢者に襲いかかってきます。空港での水際対策やクラスター化防止のための囲い込み検査など、当初は有効であったが、すでに防波堤は打ち破られ続けてきた。

高齢者を中心に中等症以上の入院が急増し、一定の割合で人工呼吸器など集中治療を要する患者が増加する。規模はそれほど大きくない民間病院が主力の日本では、感染急増に即応する体制を個々の努力で作ることは至難の業であり、対応できる急性期医療の限界がみえてきた。こうなると、ロックダウンに準じた人の動きを封じる強力な手段が必要になるし、それには多大な副作用も伴う。

大都市圏を中心にこれだけ広域に多数の感染者が発生している状況(東京都は蔓延期といってよい気もする)では、全例への保健所の聞き取り調査は膨大な時間と労力がかかる上に実効性は薄い。今後は、感染者ゼロを目指すのではなく、若年者は自宅療養を許容し、高齢者がいる場所(在宅・病院・施設など)に対する水際対策、高齢感染者の早期入院・重症化予防を重点的目標とする方向にシフトせざるを得ない。

したがって、リスクの少ない年代での感染はある程度許容(5類扱い)しつつ、高齢者に対しては2類扱いというイメージ。そうすることで、大きな津波ではなく、小さな波が常に上がったり下がったりしている状態をキープしていく。しかし現実的には、同じ感染症に対し、ダブルスタンダードとしての扱いは困難であろう。

とすれば、発症予防効果が期待されるワクチンを、できるだけ早く(2月下旬とか言わず1月中に開始)、短期間(季節性インフルエンザワクチンのときのように1-2か月)でハイリスクとされる高齢者や持病のある方に接種。それも、現在流行の中核である都市部の高齢者を優先して接種する。そうすることで、5類扱いが許容される環境に移行していくことができるのではないか。もちろん、新規ワクチン効果の持続性や副作用発生には常に注意を払いつつ。

何となく出す緊急事態宣言ではなく、ここまでやったら積極的に解除をするぞという近未来を明示してほしい。

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