役員・職員が一丸となって会員を支援し事業を推進 乾大阪府薬会長が初定例会見で抱負

乾大阪府薬会長

 大阪府薬剤師会は13日、定例記者会見を開催し、乾英夫新会長が「大阪府薬剤師会の役員並びに職員が一丸となって会員を支援し、令和2年度の事業計画を推進していきたい」と抱負を述べた。
 令和2年度の事業計画の中で、大阪府が大阪府薬に委託している委託な事業には、「薬局の連携体制整備のためのモデル事業(280万円)」、「薬局の在宅医療推進事業(550万円)」、「大阪府後発医薬品安心使用促進事業」などがある。
 昨年度の「薬局の連携体制整備のためのモデル事業」は、切れ目のない医薬品供給のための患者情報の共有化を目的に「入退院時情報共有シート」を作成し、国のモデル事業として大阪府全域の医療圏11ブロックで実施された(1700万円)。堀越博一常務理事は、その時作成された「入退院時情報共有シート」に関して「11地域にある複数の病院と薬局が連携する中で雛形のシートができ上がっているため、今後の活用が期待できる」と説明した。
 今年度の同事業は、「地域連携薬局認定推進事業の一環として、大阪府下の2つの市薬剤師会でモデル事業を継続していく」(山口泰秀専務理事)。
 また、地域連携薬局の要件にある「無菌調剤」への対応では、「9月12日に開催される“無菌調剤室利用者研修会”に参加すれば、大阪府薬の会営薬局内にある無菌調剤室共同利用契約が結べるようになった」(道明雅代副会長)。ただし、無菌調剤室の利用には、大学か府薬の無菌室を使っての実務実習を必要とする。
 乾会長は、無菌調剤室利用者研修会を始めとする大阪府薬が開催する各種研修会について、「新型コロナ禍でもたくさんの会員に参加して頂くため、3密を避けながら会場に人を入れると同時にWeb配信する方法を考えている」と強調。さらに「この方法であれば、日本薬剤師会研修センターの研修単位の対象にもなる」と訴求した。
 薬局の在宅医療推進事業は、これまでの3年間、薬局薬剤師が在宅訪問する際に地域の未経験の薬局薬剤師が同行する試みが実施された。今後3年間は、地域の薬局薬剤師が病棟業務や退院時服薬共同指導カンファレンスに参画したり、逆に病院薬剤師が薬局薬剤師がこれまで行ってきた在宅訪問に体験訪問する事業が実施される。
 その他、第二次補正予算の新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業における1薬局最大70万円の支援では、大阪府が府下全薬局に相当する4200軒分の予算を獲得していることも報告。
 現在200軒程度と伸び悩んでいる大阪府下の健康サポート薬局は、大阪府薬務課とともに積極的に推進していく。
 一方、日薬では「分業対策」の文言が消えたが、大阪府薬は令和2年度分業施策を策定した。その前文に「新の医薬分業とは、医薬品に関わるあらゆる場面において薬剤師が責任をもって対応することであり、医療機関内での業務や在宅医療、一般用医薬品の供給、災害時の医薬品の供給などを含む」など、質の高い分業の重要性を訴求する条項を改めて強調。その上で、「薬剤師・薬局機能の向上」、「大阪府民への啓発」、「地域・職域薬剤師会との連携」を図っていく。
 尾島博司大阪府薬剤師連盟会長からは、7月10日、自民党大阪府連に対して、「新型コロナ禍で悪化する薬局経営に対する財政支援」、「薬価改定の延期」、「ジェネリック医薬品の原薬不足等に対応した安定供給」、「かかりつけ薬剤師・薬局機能の充実・強化」を要望したことが報告された。

タイトルとURLをコピーしました