今週前半に使用見合わせモデルナ製ワクチン異物調査結果の速報を予定  武田薬品

 武田薬品は1日、モデルナ製の新型コロナワクチンについて、ロット番号「3004667」で報告されている混入した異物の調査結果は、今週前半に速報が報告される予定にあると発表した。また、現在、使用見合わせしている3ロットの現状(8月31日現在)とよくある問合せ内容を次の通り公表した。

【使用見合わせロット】
 ◆ロット番号3004667=約5万7000本(約57万回接種分)、未使用で異物が複数報告されたロット
 ◆同3004734=約5万2000本(約52万回接種分)、未使用の状態での異物混入の報告はない
 ◆同3004956=約5万4000本(約54万回接種分)、未使用の状態での異物混入の報告はない 

【よくある問い合わせについて】
<異物の混入について>
Q:異物とは何か?またどうして異物が混入したのか?

A:異物、原因等については現在緊急に調査中。モデルナ社から調査結果が得られ次第、速やかな情報の開示に努める。

Q:沖縄県、群馬県で発見された異物の混入について、現時点での調査状況を教えてほしい

A:調査結果によると、沖縄で異物が発見されたバイアル(ワクチンが入った小瓶)は、いずれも注射針の穿刺前には異物が混入していなかったことが確認されている。従って、穿刺時のコアリング等により異物が混入した可能性が高いため、当該ロットのワクチンの品質に問題は無いと考えられる。

 また、群馬県で異物が発見されたバイアルは、調査結果によると、バイアルに混入した異物は、これまでに複数のロットでごくまれに発見されている製品のゴム栓様の異物である可能性が高いと考えられる。同一ロットの他のバイアルについては有効性及び安全性に問題はなく、当該ロットのワクチンの接種を差し控える必要はないと考えられる。

Q:コアリングとは何か?

A:ワクチンや注射薬のバイアル(ワクチンが入った小瓶)のゴム栓に対して斜めに注射針を刺した場合などに、針によりゴム栓が削り取られてしまうことがある。これが「コアリング」と呼ばれる現象で、バイアル製剤でよくみられる。
 ワクチン使用時にバイアルのゴム栓に注射針を刺す時は、ガイドマーク(中心円)の内側に、垂直に刺すよう、自治体や医療機関にお願いしている。

Q:供給以降、異物混入が見つかっていたと聞いた。経緯を教えてほしい

A:製造工程において、確率は非常に低いものの、ごくまれに製品のゴム栓様の破片がバイアル内に混入する可能性がある。異物がみられた場合には十分な調査が必要となる。 これらの品質情報に関して、武田薬品は5月末の供給開始以降、手順に則り適切に受領し、品質確認を実施している。
 なお、同ワクチンの添付文書には、次の記載をしており、接種会場で接種前の確認をお願いしている。
 「本品は白色~微黄白色の懸濁液であり、白色又は半透明の微粒子を認めることがある。使用前にバイアルに変色、異物の混入その他の異常がないかを目視で確認し、異常を認めたものは使用しないこと」

 現在、接種見合わせしている特定のロットについて、未使用のバイアル内に異物があるという複数の接種会場からの報告を受け、厚生労働省と連携し、異物混入の報告のあった当該ロットのほか、厚生労働省の判断に従い、同じ時期に同じ製造ラインで製造された2ロットを疑いのあるロットとして、計3ロットの使用見合わせを8月26日に決定した。
 武田薬品は、直ちにモデルナ社およびモデルナ社が契約する欧州の製造会社に異物の緊急調査を依頼。同社とモデルナ社は、バイアルの中の粒子状異物の種類や性質を示す非公式の報告を認識している。
 だが、これらの報告は確定情報ではなく、正式な調査結果を得て適切に評価することが重要と考えている。

<使用見合わせ対象ロットに関する問合せ>
Q:ロット番号「3004667」で報告されていている異物とは何か?

A:異物の種類や性質、原因などについて、現在モデルナ社にて調査中です。異物の種類や性質の特定は厳密な調査を行い、適切に評価することが重要である。結果がわかり次第、武田薬品とモデルナ社は速やかに情報を開示する。

Q:ロット番号「3004667」にて報告されている 混入した異物の調査結果が明らかになるのはいつごろか?

A:モデルナ社に対して、異物の性質を明らかにするよう緊急の調査実施を要請している。今週前半に速報が報告される予定である。結果については速やかに情報を開示する。

Q:異物混入によってどのような健康被害が考えられるのか?

A:現時点では、重篤な健康被害のリスクはないと考えている。新たな情報がわかり次第、速やかに開示していく。

Q:モデルナワクチンについてのどのような健康被害が報告されているか?

A:新型コロナウイルスの副反応疑いの報告についての詳細情報は、厚生労働省のウェブサイト(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_hukuhannou-utagai-houkoku.html)で公開している。また、武田薬品COVID-19特設サイト(https://www.take-care-covid-19.jp/)でも閲覧できる。

Q:対象ロットを接種してしまったが、どう対応したらよいか?

A:現時点では、重篤な健康被害のリスクはないと考えている。体調不良などがみられたら、速やかにかかりつけの医師あるいはその他の医療機関に相談、受診をお願いしたい。

<対象ロット以外について>
Q:日本におけるモデルナワクチンの接種について今後どのような影響が出るか?

A:厚生労働省と武田薬品は、接種スケジュールの影響を最小限に抑えるため、接種会場への代替ロットの供給を開始している。同社は、今後も日本におけるCOVID-19ワクチン接種の取り組みを支援していく。また、タイムリーにワクチンが配布されるよう、引き続きモデルナ社と協力していく。

<症例について>
Q:モデルナワクチンでの副反応疑い報告について知りたい

A:厚生労働省のウェブサイトで公開されている。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_hukuhannou-utagai-houkoku.html

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