オプジーボの併用療法 肺がん一次治療P3試験で好結果      小野薬品

 小野薬品は14日、オプジーボとヤーボイの併用療法に化学療法2サイクルを追加した併用療法が、進行非小細胞肺がん(NSCLC)のファーストライン治療薬としてのP3試験(CheckMate-9LA試験)で好結果を示したと発表した。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(BMS)が13日に公表したこの試験結果は、同併用療法が統計学的に有意かつ臨床的に意義のある生存ベネフィットを示したもの。
 CheckMate-9LA試験において、免疫療法薬の2剤併用療法と化学療法の併用療法が、主要評価項目および重要な副次評価項目を達成し、化学療法と比較して、良好な全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)および奏効率(ORR)を示した。
 主要評価項目である OS について、あらかじめ計画されていた中間解析では、最短8.1カ月の追跡調査において、オプジーボとヤーボイの併用療法に化学療法2サイクルを追加した併用療法が、化学療法と比較して、死亡リスクを 31%低減した[ハザード比(HR):0.69;96.71%信頼区間
(CI):0.55 – 0.87;p=0.0006)]。
 さらに、長期の追跡調査(最短12.7カ月)においても、併用療法が、化学療法と比較して、引き続き OSの持続的な改善を示した(OS の中央値は、併用療法で 15.6 カ月、化学療法で 10.9 カ月[HR 0.66;95% CI:0.55 – 0.80])。 PD-L1発現および腫瘍の組織型(扁平上皮がんまたは非扁平上皮がんの両組織型)を含む患者集団の重要なサブグループで、全ての有効性評価項目において、臨床的なベネフィットが示された。
 オプジーボ(360 mgを3 週間間隔)とヤーボイ(1 mg/kgを6週間間隔)の併用療法に化学療法2サイクルを追加した併用療法の安全性プロファイルは、ファーストラインの NSCLC を対象とした免疫療法と化学療法の併用療法でこれまでに認められているものと一貫していた。
 これらの結果は、29日~31日にオンラインで開催される2020年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会で口頭発表される予定。
 CheckMate -9LA試験の治験担当医師であるMartin Reck氏(M.D.、Ph.D.、ドイツ肺疾患研究センターグロスハンスドルフ肺クリニック)は、「オプジーボとヤーボイの併用療法は、ファーストラインの非小細胞肺がん患者の生存期間延長が示されており、化学療法のサイクルを限定して追加することで、早期の病勢進行のリスクを低減できる可能性がある」と指摘した。
 さらに、「CheckMate -9LA試験のこれらの結果により、2剤併用療法に化学療法2サイクルを追加することで、この患者集団において生存ベネフィットが示されるというエビデンスを得た。このベネフィットは早期に示され、1年間の追跡調査で、患者の重要なサブグループ全体で持続した」と説明。その上で、「今後、データがより詳細になるとともに、生存ベネフィットが高まる可能性があると考えている」コメントしている。

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