オプジーボ 食道がん治療の臨床現場から大きな期待

 浜本康夫慶應義塾大学医学部内科学(消化器)准教授(腫瘍センター副センター長)は、食道がんP3試験(ATTRACTION-3試験)で初めて有用性が示されたオプジーボについて、「食道がんは、治療薬の選択肢が極めて少なく、臨床現場では有用性の高い新薬の登場が待ち望まれていた」との認識を示した。23日にWeb配信された小野薬品とブリストル・マイヤーズスクイブのプレスセミナーで講演したもの。オプジーボは、本年2月21日、ATTRACTION-3試験結果に基づき、厚生労働省より食道がん二次治療での効能追加承認を取得している。浜本氏は、食道がんにおけるオプジーボの生存ベネフィットにも言及し、「肺がんなど他のがん種とは異なり、PD-L1発現レベルにかかわらず全生存期間(OS)延長が認められた」とその有用性を強調した。
 食道がんは、がん種としては世界で7番目、がんの死因では6番目に多い。非常にポピュラーながんと言えるが、その77%をアジアで占めている。また、わが国の食道がんの92%が食道の扁平上皮がんで、男性に多く、予後が悪い。過度な飲酒や喫煙がリスク因子となっている。
 食道がん診療ガイドライン(2017年版)では、1次治療に「シスプラチン」、「5-FU」、両剤が効かなくなった2次治療では「パクリタキセル」、「ドセタキセル」が推奨されている。浜本氏は、食道がん治療について「これまで我々が投与できる治療薬はこの4種類しかなく、患者さんに提供できる薬剤が非常に少ないことが大きな問題点であった」と指摘する。
 さらに、「食道の扁平上皮がんの治療成績を伸ばすために、欧米の先進国からの良い研究結果を待っていても実現しない。アジア、特に日本の専門家や製薬会社による新薬開発が、患者さんにとって大きなウエートを占めている」と訴求する。
 こうした中、オプジーボが、待望の食道がんにおける効能・効果を取得した。そのエビデンスとなったATTRACTION-3試験は、フッ化ピリミジン系薬剤およびプラチナ系薬剤を含む併用療法に不応または不耐の食道がん患者 419 例(腫瘍細胞のPD-L1発現を問わない)を対象に、オプジーボ群と化学療法群(ドセタキセルまたはパクリタキセル)を比較した多施設国際共同無作為化非盲検P3試験。主要評価項目は全生存期間(OS)で、無増悪生存期間(PFS)、奏効率(ORR)、奏効期間(DOR)などを副次評価項目としている。
 ATTRACTION-3試験結果について、浜本氏は「OSで統計学的に有意な延長が示された。PFS、ORRは両群であまり差はなかったが、オプジーボは疾患をコントロールしているDORは長かった」と述べ、「オプジーボは、効いた患者が長く効くのが特徴である」と解説した。
 その一方で、「対象薬と比べて安全性も高いが、免疫チェックポイント阻害薬特有の有害事象には十分留意する必要がある」と断言。具体的な副作用として、「脳炎」、「下垂体涎」、「肝炎」、「副腎不全」、「1型糖尿病」、「大腸炎」などを挙げ、「鑑別診断を丁寧に専門性を持って行うことで、患者さんの治療は大幅に変わってくる。様々な副作用をチームで対応していくことが非常に重要である」と訴えかけた。
 また、オプジーボは、現在、「食道がんの1次治療や再発予防、手術前投与などの臨床試験を実施している」ことも明かした。

タイトルとURLをコピーしました