ビラフトビおよびメクトビ結腸・直腸癌で効能追加申請     小野薬品

 小野薬品は4日、BRAF 阻害剤のビラフトビおよびMEK阻害剤のメクトビについて、抗ヒトEGFRモノクローナル抗体であるセツキシマブとの3剤併用療法における「BRAF遺伝子変異を有する治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」に対する効能又は効果の追加に係る製造販売承認事項一部変更承認申請を行ったと発表した。
 今回の申請は、1次治療または2次治療後に進行したBRAF V600E変異を有する治癒切除不能な進行または再発の結腸・直腸癌の患者を対象に実施された国際共同無作為化非盲検P3試験(BEACON CRC 試験)結果に基づくもの。
 同試験の結果、主要評価項目の1つである全生存期間(OS)の中央値は、ビラフトビ、メクトビとセツキシマブの3 剤併用療法(3 剤群)で9.0カ月、対照化学療法(イリノテカンとセツキシマブを含む併用療法)(対照群)で 5.4カ月で、3剤群は、対照群と比較して、統計学的に有意な延長を示しました(ハザード比 0.52;95%信頼区間:0.39 – 0.70;p<0.0001)。 また、もう1つの主要評価項目である盲検下独立中央判定(BICR)に基づく 奏効率(ORR)では、3剤群で 26.1%、対照群で1.9%であり、3剤群は、対照群と比較して、統計学的に有意な改善を示しました(p<0.0001)。なお、3剤群においては、予期せぬ毒性は認められなかった。
 結腸・直腸がんは、原発性に結腸または直腸に発生する悪性腫瘍である。日本では、年間約 14.6万人(全世界では約 180万人)が新たに結腸・直腸がんと診断され、年間約 5.7 万人(全世界では約86.1万人)の死亡が報告されている。
 日本では、BRAF V600E 遺伝子変異陽性は、結腸・直腸がん患者の4.5-6.7%(欧米では5- 12%)に認められ、BRAF V600E 変異のない場合と比べ予後が不良である。現在、BRAF遺伝子変異陽性の結腸・直腸がんの効能効果で承認された薬剤はなく、大きなアンメットニーズが残された領域で、新たな治療選択肢が必要とされている。

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