FETCROJA CHMPが成人グラム陰性菌感染治療で承認勧告  塩野義製薬

 塩野義製薬は3日、FETCROJA(cefiderocol)について、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品評価委員会(CHMP)が「他の治療選択肢が限られた18歳以上の患者におけるグラム陰性菌感染症治療」を適応として承認勧告を採択したと発表した。
 FETCROJAは、世界保健機関が最優先の対応が必要としているカルバペネム系抗菌薬に耐性を示す腸内細菌科細菌、緑膿菌、アシネトバクター・バウマニのすべてに有効性を示す唯一の薬剤。
 同承認勧告は、主検証試験であるカルバペネム耐性菌感染症を対象とした国際共同試験(CREDIBLE-CR)ならびに、副次試験である複雑尿路感染症を対象とした国際共同試験(APEKS-cUTI)、院内肺炎を対象とした国際共同試験(APEKS-NP)の結果をもとに判断されたもの。
 CHMPの勧告を受け、今後、欧州委員会(EC)において承認可否が判断される。
 カルバペネム系抗菌薬に耐性を示す腸内細菌科細菌、緑膿菌、アシネトバクター・バウマニおよびステノトロホモナス・マルトフィリアを含む、既存薬に対する耐性を獲得したグラム陰性菌感染症の増加は、医療における重要課題となっている。
 これらの感染症の既存薬での治療は困難であり、致死率も増加している。欧州では年間約2万5000人が多剤耐性菌への感染により死亡することが報告されいる。何らかの手立てを打たなければ、2050年までに薬剤耐性菌感染症による全世界での死亡者数は1000万人、GDPに対する影響は100兆米国ドルにも及ぶという予測もされている。

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