高齢者のリアルタイム運転技能診断システムを開発 オムロンと近畿大学

 オムロンと近畿大学は13日、ドライバー安全運転管理サービス「DriveKarte(ドライブカルテ) 」を活用した高齢ドライバーの運転技能向上を促すリアルタイム運転技能診断システムを開発したと発表した。
 同システムは、オムロンのグループ会社として社会システム事業を担うオムロン ソーシアルソリューションズ(OSS)と近畿大学理工学部の多田昌裕准教授が共同開発したもの。今後、同システムを使ったサービスの実証実験を開始し、自動車教習所などの高齢ドライバー教育を必要としている事業者向けに、2020年度内に提供開始する。


 社会の高齢化に伴い、高齢ドライバーの交通事故防止対策は喫緊の課題となっている。現在、70歳以上の高齢ドライバーの免許更新時に実車指導を含めた高齢者講習が実施されている。実車指導では、運転中に同乗する教官からの指導と、運転後にドライブレコーダーの映像をもとにした事後指導が実施されるが、今後より多くの受講者に効率的に対応するため機械化の導入や、指導の効果を高めるための取り組みが求められている。
 こうした中、今回開発されたリアルタイム運転技能診断システムは、車両に取り付けた「DriveKarte」のカメラやセンサーから出力されるドライバー画像や、位置情報、加速度などの情報を組合せて、自動で運転技能評価を行い、運転中のドライバーに対してリアルタイムに音声で危険運転を通知する。
 OSSの「DriveKarte」と、多田准教授の開発した運転技能評価、通知システムの組み合わせにより、運転中にリアルタイムでドライバーへのフィードバックを可能にした。多田准教授の開発した運転技能評価、通知システムは、指導員の安全運転知識をデータベース化し、ドライバーの技能の自動評価を可能にした。
 実験により、機械によるリアルタイムでの運転評価、通知が、高齢ドライバーの運転技能向上の指導に有効であることが確認されている。人による指導に加えて、機械による客観的な一定の判定による指導の実施で、高齢ドライバーへの指導力の向上が期待できる。
 同システムを教習所での実車指導中に使用することにより、ドライバーが危険運転に気づくことで安全運転技能の向上を実現する。また、教官の指導を補助して教官の負荷低減にも貢献する。

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