仲良し三師会の合同講演会に参加しました。仲良しは医師会、歯科医師会、薬剤師会です。
今回のテーマは「終末期医療に対する各師会の取り組み」。基調講演は、基幹病院の院長の「地域でがん患者を支える」の演題で行われました。緩和医療やACP(アドバンスケアブラン二ング)について医療現場での経験をふんだんに交えての興味深いお話でした。特に緩和病棟では患者さんのモニターがないこと、末期ガンの無痙攣性てんかんにイーケプラが有効であること、アルブミン値2.0で余命1カ月を想像しうることなどが私には印象的でした。
第2部では各師会からの発表がありました。歯科の発表では、終末期医療に対する歯科医師会の取り組みとして、医療従事者の捉え方に差があり、実際には充分ではなく、口腔健康管理のニーズと対応の方針決定からなされなくてはならないと今後の課題を示されました。薬剤師会からは、堺市全域におけるがん薬物療法の質の向上を目指した取り組みが発表され、地域連携と専門医療機関連携を目指すため、今の研究会の充実を図りたいとありました。医師会からは「患者、代理決定者、医療者が患者の意向や大切にしていることを、あらかじめ話し合うプロセスこそが大切である」とACPに関してこれから広めていく方法などについて、提案がありました。
最後にフロアも交えてのディスカッションがあり、三師会の連携、病院との連携の必要性が熱く議論されました。薬剤師会は過去に比べると連携の必要性を他の医療従事者にも認めていただけるようになったという意見もありました。歯科医師会は出遅れたところもあるので、今後は頻繁にこの会を積み重ねて、終末期医療に対する三師会としての構築を図りたいとのことでした。地域連携を取り、地域で患者さんを支えることが、今回の趣意と思いました。
ものづくりをする会社の役員が、問題や課題があれば、アルゴリズムでさらに成長できると話していました。薬剤師ですので、アルゴリズムからのトリアージが、社会にも連携にも協力にも同じように必要なのかなと思います。人と人との関わりを大事にしたいと思います。
薬剤師 宮奥善恵