三菱ケミカルホールディングスは18日、田辺三菱製薬を公開買付(TOB)により完全子会社化すると発表した。TOBは、経営効率化、増大する研究開発費への対応を目的としたもの。
現在、三菱ケミカルホールディングスは、田辺三菱製薬株式の過半数(56.39%)を保有しているが、TOBで田辺三菱製薬を完全子会社化することで、三菱ケミカルHDの各事業会社と田辺三菱製薬のさらなるシナジー効果および機能性の向上を目指す。
一方、田辺三菱製薬も、同日開催の取締役会で、親会社のTOBによる同社の完全子会社化方針に賛同する旨を発表した。完全子会社化が実現すれば、田辺三菱製薬は上場廃止となる見込み。
三菱ケミカルHDの各事業会社と田辺三菱製薬の一体化により、従来の医薬品からデジタルメディスン、バイオテクノロジー、マイクロバイオームまで、ヘルスケア事業展開を支える技術分野全般に及ぶポートフォリオの創製を目指す。
TOBの買い付け価格は、1株2010円(15日の終値に53.08%のプレミアム乗せ)で、買い付け総額は約4918億円。買い付け期間は、19日から2020年1月7日まで。応募株数が買い付け予定株数の下限(5767万31株)に満たない場合は、TOBを行わない。
また、田辺三菱製薬は、「TOB成立を条件に、一株当たり28円としていた20年3月期の期末配当予想を無配とする」としている。