皮膚バリア機能低下が紫外線ダメージを拡大     花王生物科学研究所・スキンケア研究所

 花王生物科学研究所・スキンケア研究所は、皮膚(角層)のバリア機能が低下した肌では、比較的弱い紫外線でも肌に炎症が起こりやすいことを確認した。
 同知見により、角層の高いバリア機能は、物質の透過を制御するのと同様に、紫外線(UVB)に対しても機能を発揮しており、皮膚のバリア機能低下が、紫外線によるダメージを拡大することが判明した。
 角層のバリア機能は、外界からのさまざまな刺激物質の体内への侵入を防止し、水分を始めとした体内の重要な成分の漏出を防ぐ働きをしている。
 刺激に対して敏感なアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患や敏感肌の人のバリア機能は、低いことが理解され易いものの、一般人には、バリア機能自体認識され難く、意識も低いのが現状だ。 こうした中、近年、アレルギー発症には、口ではなく皮膚からの原因物質侵入が大きく影響し、発症予防には、乳児期のスキンケアが重要になることが報告され、皮膚のバリア機能の重要性が認識され始めている。
 花王は、角層のバリア機能に早くから着目し、角層の細胞間に存在する細胞間脂質、特にセラミドが、アトピー性皮膚炎患者の角層で減少していることを東京女子医科大学と共同で報告している。
 今回の研究は、2010年11月、健康な日本人ボランティア女性285名(30~49歳・平均39.6±5.2歳)を対象に、上腕内側の皮膚の色、バリア機能(体内からの水分蒸散量:TEWL)、皮膚の紫外線に対する感受性(皮膚が赤くなる最小の紫外線照射量:MED)を測定したもの。
 一般的には、肌の色が暗い方が紫外線に対して強いとされているが、今回の解析の結果から、皮膚の紫外線に対する感受性は皮膚の色よりもバリア機能の高さに有意に相関して低くなることが判明した。
 同結果については、さらに、2回、各250人以上のボランティア女性を対象に測定・解析を行い、再現性を確認している。
 同研究により、角層バリア機能が低下した肌は、紫外線の暴露によって、より肌に紅斑を生じやすいことが判明した。
 従って、皮膚のバリア機能が低い人は、紫外線によるダメージを受け易く、紫外線により肌が赤くなりやすい人は、角層のバリア機能が低い可能性がある。
 これら事象の該当者は、皮膚のバリア機能を補うスキンケアや紫外線ケアを、より丁寧に行なうことが必要になる。
 花王では今後、同知見を活用し、太陽光を含むさまざまな環境下でも健康で美しい肌で過ごせるように角層バリア機能が低い乾燥肌、敏感肌などを対象とした紫外線防御技術、皮膚バリア機能改善技術などの検討を進めて行く。

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