9月3日「睡眠の日」 心とカラダをリセット! 質のいい睡眠をとるための理想の寝室のつくり方

 9月3日は秋の睡眠の日。睡眠は、疲労回復だけでなく、脳が行う情報処理や記憶力の定着を促すなど、心の健康にも関わる重要で欠かすことのできない。こうした中、フランスベッドでは、「睡眠の日特別ニュースレター」として、質のいい睡眠をとるための理想の寝室の作り方を提案している。

寝室は1日の疲れをリセットする空間。

 寝室の環境を整えることで、スムーズな入眠とスムーズな目覚めを促す。睡眠には、寝具はもちろん、部屋の明るさ(照明)、色彩、香り、音などが関係している。今回は、マットレス・照明・カーテンに注目。選び方やおすすめ商品を紹介する。
 人の眠りは、「ノンレム睡眠(深い眠り:脳を休ませ全身を回復させる)」と「レム睡眠(浅い眠り:身体を休ませる)」を周期的に繰り返して成り立っている。


 図のように、人は「ノンレム睡眠」から「レム睡眠」再び「ノンレム睡眠」に入り、「レム睡眠」…と周期的に繰り返し、目覚めへと向かう。
 一番深い眠りになる、眠りはじめの「ノンレム睡眠」時に身体や脳を回復させるホルモンは、多く分泌されるためスムーズな入眠が良い睡眠につながる。
 人は、身体を休ませるために、汗をたくさんかいて体内の熱を放出し、深部体温(脳や内臓などがある部分)を下げる。深部体温と皮膚体温(皮膚表面)の温度差が小さくなると眠気を感じ、深く眠ることができる。
 「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」が繰り返されるのは、「ノンレム睡眠」のときに体温を下げ、「レム睡眠」で体温を上げるというリズムによって深い眠りを得ようとしているからだ。
 また、目覚めるときに長い「レム睡眠」から起きると、体温が上昇しているため、目覚め感は良好であるが、「ノンレム睡眠」のときに無理やり起きると、体温を下げている最中なので目覚め感は良くない。
 つまり、睡眠の質には、スムーズな入眠とスムーズな目覚めが重要である。

◆スリープアドバイザー講師の中村太一氏(フランスベッド経営企画部人材開発課課長)からのコメント

中村氏

 中村氏は、約30年、フランスベッドで研修部門を担当する。スリープアドバイザーとは、正しい眠りの知識や商品についての知識を学び、様々な顧客の睡眠環境に対してアドバイスが行える「総合的な眠りのプロ」であると認定するフランスベッドの社内資格制度である。同社では、スリープアドバイザー講師として、社内外を含めこれまで約1万名の免許取得者を育成している。

 質の良い睡眠とは一言で表現すると「寝つきが良くて、寝起きもスッキリと起きることができる」と言えるものと思われる。
 寝つきを良くするには、深部体温をスムーズに低下させることがポイントのひとつである。そのためにはシャワーではなく湯船に浸かることをおすすめしたい。
 湯船に浸かると、深部体温が少し上がり、その後、徐々に体温が低下することで眠気を感じやすくなる。睡眠中も寝汗(発汗)をかくことで深部体温を下げて深い睡眠を得ているので、寝具の通気性はとても大切な要素になる。
 逆に、寝つきが悪くなる要因には、寝る前のまぶしい光など液晶画面の見過ぎや、携帯、テレビゲームなどの「興奮」「考え事」などがある。
 カフェインやタバコに含まれるニコチンなども「興奮物質」となり、寝つきを妨げる可能性があるので、寝る前は避けた方が無難だ。
 また、寝つきが悪い時「早く寝なきゃ!」と焦ることも「考えごと、興奮」に近い状態になる。逆に「どうせ眠れない」と、一度ベッドから出るくらい開き直る方がリラックスをもたらし、いつの間にか眠っていたということもあるので焦りは禁物である。
 「睡眠の改善」には多くの人が興味関心を持っているものの、具体的にどうしたらいいかはよくわからない人がほとんどだ。フランスベッドが2022年1月に行った「いびきに関する実態調査」でも、6割以上の人が睡眠に不満を抱えていることが分かっている。
 我々は、眠ることで「記憶の整理」や「疲労回復」「細胞の修復」など心身のメンテナンスを行っている。「眠くなったら寝る」「夜になったら明るい光をなるべく浴びない」「寝る前は脳が興奮する刺激物を避ける」など、まずは自身が取り組みやすいことから始めれば良い。

①マットレスの選び方

1)通気性が良いものを選ぶ
 人は、深い眠りにつくために発汗を繰り返す。この汗をすばやく発散させることもマットレスの重要な役割である。
 また、眠っているときの寝床内の温湿度(寝床内気候)の理想的な温度は、33℃前後、湿度は50%前後とされている。寝床内気候を快適にするには、寝具の保温性と湿気に注意する必要がある。通気性のよいマットレスと保温性の高い羽毛ふとんを組み合わせて使うとより効果的だ。

2)自然な寝返りをうちやすい
 人は、一晩で20回程度の寝返りをうつと言われている。自然な寝返りには、身体にかかる負担(筋肉や血管の圧迫など)を軽減したり、寝具内の空気を入れ替え、湿気を発散させる効果がある。

3)自分の身体に合った硬さを選ぶ
 寝心地の好みは、人それぞれなので、硬さを選ぶ時は実際に寝て試せば良い。マットレスの上に寝そべって、仰向き、横向き、寝返りと普段の姿勢をとってみる。
 仰向きで寝た時に臀部などに過度な落ち込みがなく、自然に背筋が伸びた状態でいられるものがおすすめだ。また、寝姿勢や耐圧分散を計測して、最適なマットレスの硬さを割り出す機械を設置しているベッドメーカーもあるので、それを活用してみると良い。

マットレスのおすすめ

■LT-9900マットレス モアリー仕様

LT-9900MO


 通気性、耐久性の高い「高密度連続スプリング」を搭載したスプリングマットレス。表面生地には、除菌機能糸を使用し、マットレス自らが除菌効果を発揮する。寝心地は、「ミディアムソフト」と「ハード」の2種類から好みのものを選択でき、加えて、廃棄時に簡単に解体できる仕様で環境にもやさしいのが特長である。
価格:27万5000円~(税込)/25万円~(税別)
フランスベッド
https://interior.francebed.co.jp/

■寝姿勢測定機

寝姿勢測定機


 フランスベッドには、約3万件のデータを基に独自開発した「寝姿勢測定機」を全国のショールームや展示場に設置している。
 「寝姿勢測定機」は、名前のとおり「寝姿勢」を計測する機械。フランスベッドは長年の研究から、理想の寝姿勢は「立ったままの姿勢を維持すること」を導き出した。寝姿勢測定機は、立ったままの姿勢で、後頭部から臀部までの背中のラインを計測し、身長、体重などの基本データを掛け合わせることで、最適な硬さのマットレスやまくらの高さを割り出す。
 洋服や眼鏡を選ぶ際に、事前にサイズや視力を測るように、まずは身体に合うマットレスの硬さを計測し、それに合わせてマットレスを試してみることもマットレスの上手な選び方のひとつである。

②照明を整える
1)寝室の明かりは暖色系のものを選ぶ
 寝室には、明るすぎる光は避け、リラックスできる電球色で落ち着いた明るさの照明がおすすめだ。
 JIS(日本工業規格)の照度基準(空間の用途や作業内容に応じた明るさの基準)では、寝室の明るさは10~30ルクス程度を推奨している。また、就寝時(深夜)では、眠りを阻害しない1~2ルクス程度を推奨している。

2)調光のできるシーリングライトを選ぶ
 シーリングライトとは、天井に直接据え付ける照明器具のことである。メインの照明なので明るさを調整できる調光機能がついていると、寝室での読書やちょっとしたリラックスタイムと、就寝時との明かりの調整が可能である。

3)フロアランプやテーブルランプを活用する
 夜間は、ほんのり明るいフロアランプやテーブルランプなどを活用することで、気持ちの落ち着くおしゃれな空間を演出する。

照明のおすすめ
■REVE(レーヴ)320L1031W+320X-231
提供YAMAGIWA

REVE(レーヴ)320L1031W+320X-231

 デンマークを代表するテキスタイル(織物)ブランドクヴァドラ社を採用したシンプルで上品なLEDシーリングライト。テキスタイルを透過する側面からのやわらかな光と、下面アクリルを通す均一で明るい光が室内を豊かに満たす。リモコンによる調光・調色機能で良質な眠りへと導く。
価格:10万4500円(税込)/9万5000円(税別)

■フォスキアフロアランプ
提供 ディクラッセ

フォスキアフロアランプ

 やわらかくあたたかみのある明かりを灯すLEDフロアランプ。シェード(ライトを包む傘)に「近江の麻」を使用しており、部屋にシンプルながらオシャレな雰囲気を醸し出す。
価格:7万1500円(税込)/6万5000円(税別)

フォスキアフロアランプ

③カーテンを整える

1)色彩で選ぶ
 色の好みは人それぞれですが、寝室は1日の疲れを癒す空間でもあるので、落ち着いた色味にするのがおすすめだ。カラーセラピーでは、寒色系(青や紫)の色がリラックスをする際に関係する副交感神経の動きを活発にし、心を落ち着かせる効果があるとされている。

2)遮光で選ぶ
 遮光カーテンの種類は、遮光、つまり光を遮る度合いによって3タイプに分けられる。部屋が真っ暗でないと寝られない方には遮光1級のカーテンを、自然な光も取り入れたい方は遮光なしを選ぶなどご自身の好みに合わせて選ばれると良いだろう。
 ただし、朝のスムーズな目覚めには、カーテンや窓を開けて2500~3000ルクス程度の光を浴び、新鮮な空気にふれて脳と体に刺激を与えることが重要である。

遮光カーテンのレベル

     一般社団法人日本インテリア協会(NIF)

3)レースカーテンを組み合わせて使う
 ドレープカーテンとレースカーテンを組み合わせることで、より光や音など外からの影響を受けにくくなる。

カーテンのおすすめ

遮光1級のドレープカーテン

■コンフォートコットン
 提供 サンゲツ。遮光1級のドレープカーテン。コットンを100%使用した優しい肌触りのドレープカーテン。高密度に織られた生地なので、重厚感を楽しむこともできる。
 裏表で色が異なるので、見る方向によって印象が違って見えるのもポイントだ。
価格:1万5070円~(税込)~/1万3700円(税別)

■ハクロ  

遮光性なしのドレープカーテン   

提供 コトワリデザイン
 遮光性なしのドレープカーテン。リネン100%、日本で織られた生地を日本で縫製。ヘリンボーン織りによって密度が高いため、厚手でしっかりしたリネン生地のため、夜間もしっかりとプライバシーを守る。
価格:1万7600円~(税込)/1万6000円~(税別)

遮光性なしのドレープカーテン
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