「くすりの町道修町」への認知は3割未満で低迷続く
田辺三菱製薬は19日、「大阪・道修町に関する調査2021」の調査結果を公表した。同調査は、同社が本社ビルを構える大阪および大阪・道修町（どしょうまち）の認知を把握することを目的としたもの。6年目を迎えた調査は、20代以上の男女 1040 名を対象に実施された。
その結果、製薬を大阪の代表的な産業と認識する人が過去最高の63.1%になった一方、道修町については半数が「知っていることない」と答えるなど、道修町を「くすりの町」と認識する人は3割未満の低水準で推移し、地域の認知向上へはさらなる取り組みが必要となる結果になった。
大阪の製薬産業高認知度は2025大阪・関西万博を後押し
今回の調査では、63.1%が製薬は大阪を代表する産業であると認識し、過去 6 年の調査でもっとも高くなった。
この結果は、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、世界に日本の先端医療や健康について発信する 2025年の大阪・関西万博を後押しするものとなった。
大阪には、田辺三菱製薬のほか数多くの製薬企業が拠点を置き、特に新型コロナウイルス感染症の流行以降、新型コロナウイルスのワクチンや治療薬の開発に積極的に取り組んでいる。
今年も、道修町を正しく読めた方は 30.4%と、大阪の他の地名に比べて最も低い結果となった。とはいえ、過去6年の調査では最高となり、20代で10.1%と、これまでの調査で初めて10%を越えたほか、40代でも27.4%の人が道修町の地名を正しく読めるなど、道修町の地名への認知の上昇が伺える結果になった。
一方、道修町を「くすりの町」と認識する人は3割未満に留まり、「道修町について知っていることはない」の回答が半数を超えるなど、地域に対する認知は、依然低い状態が続いている状況が明らかになった。
田辺三菱製薬は、1678 年に大阪で創業した日本で最も歴史ある老舗製薬企業の一つとして、田辺三菱製薬史料館の一般公開、道修町ミュージアムストリートの展開、および上方芸能と歴史講演の会「道修町たなみん寄席」の開催。
これらの催しを通して、道修町を中心に、大阪の歴史と文化の再評価や、地域コミュニティーの振興に取り組んでいる。また、定期的に調査を行い、地域に対する認知の現状把握に実施している。こうしたメセナ活動（企業による芸術文化支援）の実施を通して、地域が持つ多様性を尊重し、活力に満ちた豊かな社会の実現を目指している。
