塩野義製薬は27日、抗インフルエンザウイルス薬ゾフルーザについて、インフルエンザウイルス感染症予防に関する日本における効能・効果追加申請が承認されたと発表した。ゾフルーザの効能・効果追加申請は、国内P3試験(BLOCKSTONE1)の結果にもとづいて行われている。
インフルエンザウイルス感染症の予防については、ワクチン接種が広く知られているが、流行するインフルエンザウイルスの型はシーズンによって異なるため、ワクチン接種だけでは、ウイルス感染や発症、重症化を完全に抑えることは困難である。
そのため、インフルエンザウイルス感染症を発症している患者の同居者のうち、代謝性疾患(糖尿病など)、慢性肺疾患などの基礎疾患を有する患者や、65歳以上の高齢者など、インフルエンザウイルス感染症罹患時に重症化のリスクが高いと判断される人は、抗インフルエンザウイルス薬の予防投与は、インフルエンザウイルス感染症予防の重要な選択肢となる。
特に、病院内や高齢者施設内などでは、ワクチン接種や感染予防対策の徹底に加え、抗インフルエンザウイルス薬の予防投与を早期から積極的に行うことが推奨されている。
今冬において、インフルエンザウイルス感染症と新型コロナウイルス感染症の同時流行が懸念されている。感染予防対策として、飛沫感染対策、手指衛生などの感染予防対策に加え、インフルエンザウイルス感染症に関しては、ワクチン接種が強く推奨されており、インフルエンザウイルス感染症予防の重要性が高まっている。
今回の効能・効果追加により、抗インフルエンザウイルス薬の予防投与にゾフルーザの1回経口投与が新たな選択肢として加わることで、同薬がインフルエンザウイルス感染症の治療だけでなく、予防においても貢献することが期待される。
なお、同件が2021年3月期連結業績に与える影響は軽微である。