小野薬品と武田薬品は23日、オプジーボとカボメティクスの併用療法について、進行腎細胞がん患者を対象としたピボタルなP3相CheckMate-9ER試験で有意な生存ベネフィットを示したと発表した。同試験結果は、19日にブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)と Exelixis 社が公表したもの。
同試験において、未治療の進行腎細胞がん(RCC)を対象に、オプジーボとカボメティクスの併用療法が、全生存期間(OS)を含む全ての有効性評価項目で有意な改善を示した。オプジーボとカボメティクスの併用療法は、スニチニブと比較して、死亡リスクを40%低減した(ハザード比[HR] 0.60;98.89% 信頼区間 [CI]:0.40-0.89;p=0.0010;OSの中央値は両群とも未達)。
同試験の主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)の中央値は、スニチニブ単剤群(8.3 カ月)と比較して、オプジーボとカボメティクスの併用療法群(16.6 カ月)で2倍の延長を示した(HR0.51; 95% CI:0.41 – 0.64;p<0.0001)。
また、オプジーボとカボメティクスの併用療法群は、スニチニブ群と比較して、2 倍の良好な奏効率(ORR)(併用療法群 56% vs スニチニブ群 27%)を示し、完全奏効率は、併用療法群で 8%、スニチニブ群で 5%であった。オプジーボとカボメティクスの併用療法群は、スニチニブ群と比較して、より長期の奏効期間を示し、奏効期間の中央値は、併用療法群で 20.2 カ月、スニチニブ群で11.5 カ月であった。
これら全ての主要な有効性の結果は、国際転移性腎細胞がんデータベースコンソーシアム(IMDC)リスク分類および PD-L1 発現レベルに基づき、あらかじめ設定された全サブグループで一貫していた。
オプジーボとカボメティクスの併用療法の忍容性は良好であり、未治療の進行RCC における免疫療法薬とチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)で、これまでに報告されている安全性プロファイルを反映していた。グレードを問わない、およびハイグレードの事象を含む治療に関連する有害事象(TRAE)の発現率は、スニチニブ群と比較して、オプジーボとカボメティクスの併用療法群でわずかに高くなった(グレード問わず:併用療法群 97% vs スニチニブ群 93%、グレード 3 以上:併用療法群 61% vs スニチニブ群 51%)。
治療に関連する投与中止の割合は、併用療法群で低くなった(オプジーボ単剤療法群 6%、カボメティクス単剤療法群 7%、オプジーボとカボメティクスの併用療法群 3%vsスニチニブ群9%)。
全米総合がんセンターネットワークがん治療機能評価(NCCN-FACT)腎臓がん症状指標(FKSI-19)に基づくスコアでは、オプジーボとカボメティクスの併用療法群は、大半の評価時点において、スニチニブ群と比較して有意に健康に関連する生活の質の改善を示した。
これらの結果は、欧州臨床腫瘍学会(ESMO)バーチャル総会のプレジデンシャルシンポジウムで19日にプロファードペーパーとして発表された。