
大阪府薬剤師会は5日、同会館で定例記者会見を開き、伊藤憲一郎会長が最重要課題として改めて、「地域医薬品提供体制構築推進事業」、「薬剤レビューの推進」、「大阪府薬剤師会薬剤師生涯研修認定制度(ピークス)のさらなる充実」を指摘。
地域医薬品提供体制構築推進事業は、「今年度より厚労省が実施する新たなモデル事業に大阪府薬の役員が所属する5つの地域薬剤師会が手挙げし、そこを拠点に横広がりに発展的な形で取り組んでいく」考えを示した。
薬剤レビューの推進では、「薬剤レビューが実践できる薬剤師の育成を目的に、研修プログラムの開発と研修モデルの構築に尽力したい」と抱負を述べた。
わが国は、2040年頃を見据えた新たな地域医療構想を推進している。その中で、薬局薬剤師には、単なる医薬品供給の担い手ではなく地域医療を支える社会基盤としての役割が求められている。大阪府薬では、その実現に向けて「地域医薬品提供体制構築推進事業」を最重要課題の一つに位置づけている。
特に、今年度から厚労省による新たなモデル事業がスタートするが、伊藤氏は、「役員が所属する地域薬剤師会が手挙げし、そこを拠点に横広がりに発展的な形で取り組んでいきたい」と明言。さらに、「大阪府薬としては、5地域をモデル地区として国に申請している。地域薬剤師会独自で、国に申請しているところもある」と現況を説明した。
モデル地区での具体的な施策としては、「多職種との連携窓口の設置」、「麻薬の供給フローの構築」を挙げ、「医薬品の安定供給、在宅医療、健康支援、災害対応など地域の薬局が果たすべき役割がますます大きくなっている」指摘。その上で、「大阪府薬としても地域で薬を届ける体制と地域で健康を支え続ける体制の両立を目指していきたい」と述べた。
薬剤師レビューでは、「これからの薬剤師は、処方された薬を調剤するだけでなく、患者の薬物療法全体を評価し、課題を抽出して医師と協働して適切な治療に繋げる能力が求められている」と強調。大阪府薬では、山本克己常務理事(神戸薬科大学特任教授)を中心に、がん、CKD、糖尿病など
薬物療法が複雑で薬剤師の介入効果が大きいと考えられる疾患領域を対象とした研修プログラムの開発と研修モデルの構築に尽力して、薬剤レビューが実践できる薬剤師を育成する。
大阪府薬の薬剤レビューは、患者の薬に対する有用性・安全性のみならず、処方の適正化による医療経済的な効果も評価し、持続可能な医療提供体制も視野に入れている。従って、研修プログラムは、単なる講義型の研修ではなく、症例を用いた実践的な学習と評価を組み合わせて、大阪モデルとして全国に発信できる水準を目指す。
大阪府薬では、12月3日に薬剤レビュー研修会を開催するが、まずは、10名程度の薬剤レビューのファシリテーター育成を目標としている。

大阪府薬剤師会薬剤師生涯研修認定制度(ピークス)では、研修受講者の利便性の向上と生涯学習の促進を目的に、スマートフォン用のピークスアプリ(ラネクト アプリ版)が導入された。同アプリによって、集合研修会のチェックイン、チェックアウトや認定・単位所得状況等が簡単に確認でき、受講者の学習習慣の形成に繋がることが期待される。伊藤氏は、「非会員もこのアプリを利用できるので、これを切っ掛けに会員増強に繋げていきたい」と訴えかけた。

