大阪府下45地域の自治体が薬剤師に新型コロナワクチン集団接種で協力依頼  大阪府薬

乾会長

 薬剤師に対する大阪府下の市町村からの新型コロナワクチン集団接種への協力依頼は、府下56地域のうち45地域から来ており、残り11地域についても地域薬剤師会が当該の地方自治体に協力を申し入れていることが判った。12日にWebで開かれた大阪府薬の定例記者会見で、道明雅代副会長が明らかにしたもの。
 また、大阪府薬では、一般市民向けに「新型コロナワクチンを接種する方へ」のポスターを作成している。各薬局が府薬のホームページから同ポスターをダウンロードして店頭に貼り、接種会場への「お薬手帳持参」の重要性や、かかりつけ薬局での新型コロナワクチン接種に関する相談実施を訴求していることも併せて紹介された。


 乾英夫会長は、まず、大阪府の新型コロナ禍の現況について、「5日に蔓延防止措置が適用され、8日には医療の緊急事態宣言が府全域で出された。大阪府薬でも新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開催して、大阪府薬会館への来客を原則中止するに至った」と報告した。
 さらに、薬剤師の新型コロナワクチン集団接種への強力では、「ワクチンの接種体制は、各自治体で決められるため、地域の薬剤師会と医師会、行政がタッグを組んで薬剤師が集団接種に協力できる環境整備を進めている」と述べた。
 薬剤師に対する大阪府下自治体からの新型コロナワクチン集団接種への協力依頼状況は、3月28日に開かれた「新型コロナワクチン集団接種に係る地域担当者説明会」におけるアンケート調査で判明したもの。府下56地域のうち45地域が地方自治体からの協力要請を受けており、残り11地域についても地域薬剤師会側から当該の地方自治体に協力を申し入れている(道明氏)。
 新型コロナワクチン集団接種で薬剤師に期待される業務には、薬液管理・薬液充填を始め、予診票確認、接種後の状態観察などがあり、地域の状況に応じた予防接種体制への協力が求められている。
 従って、新型コロナワクチン集団接種に係る地域担当者説明会では、道明雅代副会長が「新型コロナワクチン集団接種時の対応について」、山本克己理事が、「新型コロナワクチンの薬液充填作業について」をテーマに講演した。
 また、大阪府薬が作成した「新型コロナワクチン集団接種」に関するポスターは、一般市民に「予診票とともにお薬手帳の持参」を強くアピールしている。その理由を道明氏は、「抗凝固剤の服用者等は、接種後の状態観察の時間を15分から30分に伸ばす必要がある。免疫抑制剤服用者は、要注意なので事前に把握しておく必要がある。こうした対策にお薬手帳は必要不可欠である」と説明した。

大阪市内の高齢者への新型コロナワクチン優先接種は5月17日以降


 堀越博一常務理事は、大阪市内の薬剤師に関する新型コロナワクチン集団接種協力体制について、「市内画一的な対応ではなく、それぞれの区の医師会と薬剤師会での対応が任されいる。大阪市内の高齢者の優先接種は、5月17日以降に始まる」と報告。
 乾会長も、「早い地域では今日から高齢者向けの新型コロナワクチン集団接種が始まっているが、大阪は連休明けに本格化する」と明言。その上で、「地域薬剤師会と大阪府薬が連携を取りながら、地域のワクチン接種にしっかりと貢献していきたい」と抱負を述べた。
 会見で乾会長は、「地域連携薬局」と「専門医療機関連携薬局」にも言及し、「いずれも8月1日からスタートする。大阪府薬では大阪府としっかりと連携しながら、会員に情報伝達できるように尽力する」考えを改めて強調した。
 道明副会長も「地域連携薬局の認定を視野に入れた“無菌調剤室利用者研修会”は、1000名の参加者を予定している」と紹介し、「地域連携薬局を目指す会員が多いが、その試みは健康サポート薬局にも通じる。同時並行して走って行けば、地域連携薬局、健康サポート薬局ともに増加する。健康サポート薬局数は、中学校区で一つ以上になれば良い」との考えを示した。
 また、今秋に実施される衆議院議員の国政選挙については尾島博司大阪府薬連盟会長が、「大阪は、維新が非常に強く、自民候補は苦戦している。薬剤師の渡嘉敷奈緒美議員には是非再選してもらいたいので、吹田の会員には是非頑張って頂きたい」と呼びかけた。

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