NECは22日、経口投与型の個別化 ネオアンチゲン療法「NECVAX-NEO1」について、P1/2試験で好結果を得たと発表した。
TNBCを対象とした同試験において、良好な安全性プロファイルおよび免疫原性が確認されるとともに、周術期における高リスク早期がんを対象とした同治験薬の臨床的なPoC (Proof of Concept)が得られたもの。
NECの創薬事業においてAIを活用した最先端の研究と臨床開発を担うNEC Bioは、トリプルネガティブ乳がん患者を対象に、経口投与型の個別化ネオアンチゲン療法「NECVAX-NEO1」と、免疫チェックポイント阻害剤(CPI)であるペムブロリズマブおよび化学療法を併用したP1/2試験を実施している。同社は、今回得られた結果を10月23~27日にスペイン・マドリードで開催されるESMO Congress 2026(欧州臨床腫瘍学会2026)で発表する。
ECVAX-NEO1は、患者ごとに異なるネオアンチゲンの中から、免疫原性の高い標的を選定するNECグループ独自のAIによるネオアンチゲン探索プラットフォーム「IMMUNASIGHT」(イミュナサイト)と、選定したネオアンチゲンに対して免疫応答を誘導できるように設計された独自のバクテリアベースのデリバリー技術「TORAPRIME」(トラプライム)を組み合わせて開発した経口投与型の個別化ネオアンチゲン療法だ。各患者固有のネオアンチゲンに対するT細胞応答を誘導することで、腫瘍細胞の認識と排除を促す。
今回発表するP1/2試験の第1コホート(患者群)では、早期のトリプルネガティブ乳がん患者8人を対象に、術前補助療法(ネオアジュバント療法)としてNECVAX-NEO1を評価した。
患者は、予定された手術に先立ち、計24週間の術前治療を受けた。まず12週間の化学療法およびペムブロリズマブによる治療を行い、その後、NECVAX-NEO1を追加した12週間の治療を実施した。
また、手術後に治療の継続を希望する患者に対しNECVAX-NEO1を追加した術後補助療法(アジュバント療法)を実施した。その結果、NECVAX-NEO1は、化学療法および免疫療法との併用において、良好な忍容性を示した。
また、手術時点で8人中5人において病理学的完全奏効(pCR、注8)が確認され、これに対応するバイオマーカーの変化も観察された。ELISPOT試験により、すべての患者においてNECVAX-NEO1で標的としたネオアンチゲンに対する免疫応答が確認された。
なお、現在NECVAX-NEO1は、今回の試験に加えて、欧州の複数国で固形がんを対象とした臨床試験を実施している。
Heinz Lubenau NEC Bio Therapeutics(CEO,Dr.)のコメント
今回のP1/2試験データにより、早期トリプルネガティブ乳がん患者さんに対する術前補助療法において、有望な免疫応答が確認された。この結果を受け、米国FDAへのIND申請を経て米国での臨床試験が可能となり、本試験は米国を含む複数の地域で実施する第2コホートへ拡大され、対象患者数を28人まで増やして実施している。
第2コホートでは、ペムブロリズマブを用いた標準治療レジメンに加え、第1コホートで確認した高用量のNECVAX-NEO1を投与して評価を進めている。依然として高い医療ニーズを有するがん患者さんに対する新たな治療選択肢として、NECVAX-NEO1の可能性を引き続き評価していく。
◆北村哲NEC Bio CEO兼NEC AI創薬統括部長のコメント
ESMO 2026で発表した今回の結果は、個別化ネオアンチゲン療法としてのNECVAX-NEO1の可能性に対する我々の確信をさらに強める重要な成果である。NECグループ独自のAIによるネオアンチゲン探索プラットフォーム「IMMUNASIGHT」と、特徴的な独自のデリバリー技術「TORAPRIME」を組み合わせることで、がん患者さん一人ひとりに最適化された高度な個別化治療の実現を目指している。
今回発表するデータは、患者さんの予後の改善につながる革新的な治療法の開発と、がん領域におけるプレシジョン医療の可能性拡大に向けた当社の継続的な取り組みを後押しするものである。

