
アストラゼネカは5日、日本肥満学会(理事長:下村伊一郎氏)と日本における「肥満症の研究と対策を通じた国民の健康増進のための産学連携に関する協定」を締結した。
同協定は、肥満症の研究と対策を通じた国民の健康増進のための産学連携の重要性を共有し、日本における肥満症対策の推進および関連制度の改善・充実に取り組むことを目的としたもの。
日本肥満学会の「日本人肥満症の予防・治療に取り組み、“健康な日本”をつくる」という理念、アストラゼネカの「サイエンスの限界に挑み、患者さんの人生を変える医薬品を届ける」というパーパスを連携しながら進めていく。
日本肥満学会では、「肥満」を、脂肪組織に脂肪が過剰に蓄積し、体格指数(BMI:体重[kg]÷身長[m]²)が25以上の状態と定義している。厚労省の「令和6年 国民健康・栄養調査」によると、日本では 20 歳以上の男性の32.4%、女性の19.3%が肥満に該当すると報告されている。
一方、「肥満症」は、肥満に起因または関連する2型糖尿病、脂質異常症、高血圧等、11 の健康障害を合併している、あるいは内臓脂肪の蓄積を認め、医学的に減量を必要とする疾患と定義されている。
肥満になることや肥満症への進展・増悪には、生活習慣だけでなく、遺伝的、環境的、身体的、心理的、社会的要因等のさまざまな要因が複合的に関与すると考えられている。
だが、肥満や肥満症を個人の努力不足や自己責任によるものとする誤解や偏見が存在し、それが肥満のある人や肥満症患者のQOL、適切な医療・支援へのアクセスに影響を及ぼす可能性が示唆されている。
同協定に基づき、両者はこれらの肥満・肥満症を取り巻く諸課題に対し、次の項目を柱とする包括的な取り組みを実施する。
1、ライフコースを通じた予防の推進:
各ライフステージの健康課題に配慮し、健康的な生活習慣の形成および適正体重の維持を支える環境整備を図る。
2、 医療提供体制の整備に向けた連携強化:
健診から受療・専門治療に至る円滑な導線の構築を図るとともに、安全性および医療の質を担保した医療提供体制の下で、支援を必要とする者の適切な医療アクセスの向上を目指す。
さらに、多職種・多機
関連携による標準的治療の普及および質の向上を図る。
3、 肥満・肥満症に対する理解不足の解消:
肥満症の多因子性および有効な予防・治療に関する科学的根拠に基づく情報提供を行い、誤解や偏見に起因する受療や支援への障壁を軽減し、社会的不利益の是正に資する取り組みを推進する。
4、 その他の連携施策:
これら1~3に定める事項のほか、同協定の趣旨に資すると両者が合意する連携施策を、法令に適合する範囲で推進する。
◆下村伊一郎日本肥満学会理事長のコメント
日本肥満学会は、肥満症を個人の努力や生活習慣だけの問題ではなく、医学的な対応を必要とする疾患として捉え、研究、予防、治療の推進に取り組んできた。
肥満症は、2型糖尿病や脂質異常症等の代謝疾患、高血圧、心筋梗塞等の心血管疾患、脳梗塞等の脳血管疾患、腎疾患、睡眠時無呼吸症候群、運動器疾患、月経異常等、多岐にわたる健康障害の発症や進展に関与するため、国内外でその影響に対する関心は高まっている。
今回の協定を通じて、アストラゼネカと専門的な知見を共有し、肥満・肥満症に対する正しい理解、適切な医療へのアクセス、持続可能な支援環境の今後のさらなる向上を期待している。
◆アンドリュー・バーネットアストラゼネカ代表取締役社長のコメント
今回の日本肥満学会とのパートナーシップは、日本における肥満症対策をさらに前進させるうえで、大きな意義を持つと考えている。アストラゼネカは、肥満・肥満症を循環器・腎・代謝領域における重要な健康課題の一つと捉え、単なる体重減少にとどまらない健康アウトカムの向上を目指している。
当社はグローバル製薬企業として培ってきた科学的知見やノウハウを生かし、肥満の予防、ならびに肥満・肥満症に対する正しい理解の促進に取り組む。今後も革新的なソリューションの創出を通じて、日本の皆さまの健康寿命の延伸と持続可能な医療システムの実現に貢献していく。

