JCRファーマは28日、日本での製造販売承認申請に向け準備を進めているデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)治療薬「givinostat」について、厚労省より希少疾病用医薬品に指定されたと発表した。
同剤は、Italfarmacoが開発した経口投与のヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤である。米国、EU、イギリスを含む複数の国々において承認されており、6歳以上のDMD患者に対して各国の添付文書に則り処方されている。なお、現時点では日本において承認されていない。
JCRファーマは昨年12月、Italfarmacoと同剤の日本における開発および商業化に関する独占的ライセンス契約を締結。2026年内に日本における本剤の製造販売承認申請を行う予定である。なお、同剤は希少疾病用医薬品の指定を受けるとともに、優先審査の対象にも指定された。
DMDは、DMD遺伝子の変異によって引き起こされる稀な進行性神経筋疾患である。DMD遺伝子の変異は機能的なジストロフィンの産生を阻害し、ジストロフィン関連タンパク質複合体(DAPC)の崩壊を引き起こす。これにより筋線維は損傷を受けやすくなり、筋細胞内のヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)レベルが上昇する。筋維持・修復に必要な重要遺伝子の活性化が阻害される。
結果として筋線維は持続的な損傷を受け、慢性的な炎症と再生不良を引き起こす。時間の経過とともに筋細胞は死滅し、瘢痕組織や脂肪組織に置き換わる。
DMDは主に男性に発症し、症状は通常2~5歳に現れる。病状が進行するにつれて筋力低下は悪化し、歩行困難、最終的には歩行不能に至る。やがて心臓や呼吸筋も影響を受け、これらが早期死亡の主な原因となる。
DMDは小児における筋ジストロフィーの中で最も重篤かつ頻度の高い病型の一つであり、世界的な出生時発症率は男児約5050人に1人とされる。日本におけるDMD患者数は約3500人と推定される。
◆薗田啓之JCRファーマ代表取締役社長のコメント
希少疾病用医薬品および優先審査の対象に指定されたことは、本剤の事業化に向けての重要なマイルストーンとなる。アンメット・メディカル・ニーズが大きい日本のDMD患者さんに一日でも早く新たな治療薬を提供できるよう努める。

