武田薬品は16日、葉酸受容体αに結合する抗体薬物複合体「エラヒア」(一般名:ミルベツキシマブ ソラブタンシン、遺伝子組換え)について、国内で再発卵巣がんを対象とした製造販売承認を取得したと発表した。対象は、葉酸受容体α陽性の白金系抗悪性腫瘍剤抵抗性の再発卵巣がん。
ミルベツキシマブ ソラブタンシンは、2026年9月現在、FRα陽性のPROCに対する治療薬として、米国や欧州連合(EU)を含む50以上の国または地域で承認されており、当該国・地域における事業に関する権利はアッヴィグループが有している。武田薬品は、日本におけるミルベツキシマブ ソラブタンシンの開発および商業化に関する独占的ライセンス権を有している。
今回の承認は、葉酸受容体α(FRα)陽性のプラチナ製剤抵抗性の再発卵巣がん(PROC)を対象とした海外P3試験であるMIRASOL試験、SORAYA試験および国内P1/2試験であるTAK-853-1501試験の結果に基づくもの。
MIRASOL試験では、化学療法による1~3ラインの治療歴を有するFRα陽性のPROC患者を対象として、ミルベツキシマブソラブタンシン群と、治験責任医師が選択した単剤化学療法(パクリタキセル、ペグ化リポソームドキソルビシンまたはノギテカン)群を比較検討した。
その結果、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)および重要な副次評価項目である全生存期間(OS)について、ミルベツキシマブ ソラブタンシン群でベネフィットが示された。
また、ミルベツキシマブ ソラブタンシン群で認められた眼、消化器系および末梢性ニューロパチーの有害事象は主として低グレードであり、投与中止に至った有害事象の発現頻度は、単剤化学療法群では16%であったのに対し、ミルベツキシマブ ソラブタンシン群では9%であった。
MIRASOL試験のデータは、2023年12月にThe New England Journal of Medicine誌に掲載された。また、国内P1/2試験(TAK-853-1501試験)の第2相パートにおいても、海外P3試験であるMIRASOL試験およびSORAYA試験と一貫した有効性および安全性プロファイルが示された。
◆TAK-853-1501試験第2相パートで治験責任医師を務めた岡本愛光婦人科悪性腫瘍研究機構(JGOG)理事長、国際医療福祉大学 医学部・大学院教授のコメント
卵巣がんは再発率が高く、特にプラチナ製剤に抵抗性を示す患者さんでは有効な治療選択肢が限られており、治療方針の決定に苦慮する場面が少なくない。
今回、エラヒアという新たな治療選択肢が加わることは、患者さん一人ひとりに最適な治療を提供するうえで大きな前進であり、患者さんとご家族に新たな希望をもたらすものと期待している。
◆Phuong Khanh(P.K.)Morrow武田薬品Oncology Therapeutic Area Unit Global Head(M.D.
のコメント
FRα陽性のPROCに対する日本初かつ唯一の抗体薬物複合体(ADC)であるエラヒアを日本の患者さんにお届けできることを大変嬉しく思う。再発時に有効な治療選択肢が限られていた多くの患者さんにとって、このバイオマーカーに基づく治療は、新たな可能性を切り拓くものだ。
その根拠となっているのが、MIRASOL試験、SORAYA試験およびTAK-853-1501試験で得られたデータである。今回の承認は、革新的ながん治療の開発を推進するとともに、最先端の科学を日本そして世界中の患者さんにとって意義ある成果へとつなげていくという、武田薬品の強いコミットメントを示すものである。
