第一三共は14日、ハーセプチン(抗HER2抗体薬物複合体[ADC])について、HER2遺伝子変異を有する切除不能、局所進行または転移性非小細胞肺がん患者における一次治療を対象としたグローバルP3試験(DESTINY-Lung04)の主要解析データを世界肺がん学会(WCLC 2026)で報告したと発表した。
同データでは、ハーセプチンの有効性について、主要評価項目である無増悪生存期間の中央値は、同剤投与群(227名)では14.3ヵ月で、8.3ヵ月の標準治療(化学療法とペムブロリズマブの併用療法)群(227名)に対し、病勢進行または死亡リスクが37%低下した。
同剤は、同適応を対象としたP3試験において、抗HER2療法として初めて、標準治療に対し統計学的に有意かつ臨床的に意義のある無増悪生存期間の改善を示した。
副次評価項目について、客観的奏効率は、同剤投与群で70.0%、標準治療群で44.5%であった。奏効期間の中央値は、同剤投与群で13.4ヵ月、標準治療群で9.7ヵ月であった。
全生存期間のデータの成熟度は46.9%であり、十分なフォローアップ期間に達していない、同解析時点では標準治療群に対しハーセプチン投与群における改善は認められなかった。
同試験の治療中止後に抗HER2療法を受けた患者の割合が、本剤投与群に対し標準治療群で高かったことなど、後続の治療が全生存期間の結果に影響している可能性がある。
安全性については、新たな懸念は認められず、同剤の既知の安全性と同様であった。グレード63以上の同剤と関連した有害事象について、同剤投与群の34.1%に認められた。間質性肺疾患(ILD)は、同剤投与群の20.8%が、ILD独立判定委員会により同剤と関連のあるILDと判定された。
多くが低グレード(グレード1が7名(3.1%)、グレード2が30名(13.3%))であり、グレード3が5名(2.2%)、グレード4が1名(0.4%)、グレード5(死亡)が4名(1.8%)であった。
第一三共は、HER2遺伝子変異を有する非小細胞肺がんの一次治療に新たな選択肢を提供できるよう、同試験結果に基づき、各規制当局との協議を進めていく。

