武田薬品は10日、経口のオレキシン2受容体(OX2R)作動薬「オベポレクストン」(日本製品名:オーゼイフル)について、ナルコレプシータイプ1(NT1)を対象とした2つのP3試験結果が、医学誌「The New England Journal of Medicine」に掲載されたと発表した。
オベポレクストンは、NT1を引き起こすオレキシン欠乏に対処するよう設計された初めてかつ唯一の治療薬である。
NT1は、オレキシン欠乏によって引き起こされる慢性かつ希少な神経疾患でだ。NT1患者は、日中の過度の眠気(EDS)、情動脱力発作(カタプレキシー:突然の筋緊張の消失)、夜間睡眠の分断、睡眠麻痺、幻覚、認知機能に関する症状など、日中および夜間にわたるさまざまな症状を経験する。
24時間にわたって影響するこの疾患は、仕事、学業、社会的な交流を含む、患者さんの日常生活の多くの側面に深刻な影響を及ぼす場合がある。
FirstLight試験(TAK-861-3001)では168例の患者が登録され、3つの投与群(1日2回2mg群、1mg群、およびプラセボ群)のいずれかに無作為に割り付けられた。
RadiantLight試験(TAK-861-3002)の患者登録数は105例で、2つの投与群(1日2回2mg群およびプラセボ群)に無作為に割り付けられた。
両試験では、主要評価項目および副次評価項目を含む14項目の評価指標を用いて、12週間にわたりオベポレクストンの疾患全体への影響をプラセボと比較して評価した。また、試験を完了した参加者の95%以上が、現在進行中の長期継続投与試験(LTE)に登録された。
両P3試験では、有意かつ臨床的に意義のある改善が確認され、オベポレクストンが個々の症状の管理にとどまらない、ナルコレプシータイプ1の治療のあり方を変える可能性が示唆された。オベポレクストンの忍容性および安全性プロファイルはこれまでの臨床試験結果と一貫していた。
The New England Journal of Medicine に掲載されたデータには、主要評価項目および重要な副次評価項目における有効性の結果に加え、オベポレクストンの安全性および忍容性に関する結果が含まれている。
また、QOLや疾患重症度を評価した追加の副次評価項目および探索的評価項目の結果についても報告されている。
現在、オベポレクストンは、米国、中国および日本において承認されているほか、その他の国・地域においても承認申請手続が進行中である。
◆P3試験FirstLight(TAK-861-3001)治験責任医師のEmmanuel Mignot氏(M.D., Ph.D.)のコメント
NT1の患者さんは、一日を通してさまざまな症状に直面しており、それらは日常生活に大きな影響を及ぼす。今回掲載されたP3試験では、こうしたNT1の症状に関連し、複数の評価項目を用いてオベポレクストンの有効性および安全性が評価された。
◆サラ・シーク武田薬品ニューロサイエンス領域ユニットヘッド兼グローバル開発ヘッド(M.Sc., B.M., B.Ch., MRCP)のコメント
我々、NT1が患者さんに及ぼす影響について長年にわたり研究を重ねてきた。その知見を踏まえ、疾患の複雑性や患者さんの実際の経験を反映できるよう、包括的な第3相臨床開発プログラムを設計した。今回、NT1のさまざまな症状に対して確認された影響は、オベポレクストンが患者さんの治療のあり方を変革する可能性を示している。初めてのオレキシン作動薬をNT1の患者さんにお届けできることを大変うれしく思う。

