NECとの個別化ネオアンチゲンがんワクチンP1試験で16人全員の3年間無病生存状態維持確認Transgene社

 がん治療向けウイルスベース免疫治療のデザインおよび開発を手掛けるバイオテクノロジー企業のTransgene社は3日、NECとの個別化ネオアンチゲンがんワクチン「TG4050」のP1試験について、16人全員の3年間無病生存状態維持を確認したと発表した。
 切除後HPV 陰性頭頸部がんを対象に実施している個別化がんワクチン「TG4050」のP1/2相臨床試験において、第I 相パートでTG4050を単剤投与した患者群の16人全員が、3 年間にわたって無病生存状態を維持したことを確認したもの。
 P1試験で得られた臨床データおよび免疫学的解析結果をまとめた論文が、国際的な査読付き学術誌「Nature Communications」に掲載された。
 「TG4050」は、Transgene 社の個別化免疫療法プラットフォーム「myvac」を基盤とし、NEC の最先端AI を活用した予測プラットフォームにより選定された患者ごとの腫瘍特異的遺伝子変異(ネオアンチゲン)を標的として開発されたワクチンだ。
 患者さん固有のネオアンチゲンに基づき、腫瘍細胞を認識し排除することができるT細胞応答を誘導することで抗腫瘍効果を発揮する。
 HPV陰性頭頸部がん患者を対象としたP1試験における3年間の追跡調査結果は、次の通り。

・アジュバント療法としてTG4050を投与した治療群の患者16人全員が、3年間の追跡調査で無病生存状態を維持した。一方、対照群の患者16人のうち3人に再発が認められた(中央値41カ月)。

・TG4050の安全性に関する新たな懸念は認められず、同治療法に関連する有害事象は、引き続き報告されなかった。

◆Christian Ottensmeierリバプール大学 教授 兼 ラホヤ免疫研究所 主任研究者のコメント
 TG4050の接種後、患者ごとのネオアンチゲンに対する強力かつ持続的なCD8陽性T細胞応答が確認された。これは、TG4050ががん特異的な抗腫瘍免疫を誘導できることを示す重要な結果である。
 さらに、今回の結果は、依然としてアンメット・メディカル・ニーズが高い再発リスクを有する頭頸部がん患者さんに対する個別化免疫療法として、TG4050の可能性をさらに裏付けるものだと考えている。

◆近藤正樹NEC Corporate Executive 兼 ライフサイエンス事業部門長
 今回得られた3年間の追跡結果は、ネオアンチゲンを標的とした個別化免疫療法の可能性をさらに裏付けるものである。また、本結果は、NECのネオアンチゲン予測AIが、臨床的に意義のある免疫応答を誘導できるネオアンチゲンの選定に貢献できる可能性を示している。
 Transgene社との協業により、このような成果が得られたことを大変喜ばしく思う。今後も患者さん一人ひとりに最適化された革新的ながん治療の実現に向けて取り組みを進めていきたい。

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