ロート製薬は17日、同社が運営する「BÉLAIR LAB(ベレアラボ)」といわきスポーツクラブとの共同による「いわき FC」所属選手を対象とした日本フットボールリーグ公式戦中の香り活用による精神的な疲労の軽減や回復の検証結果について、グリーンの香り(Restful Green)が効果的であったと発表した。
ベレアラボとといわきスポーツクラブは、2019年6月16日の公式戦(当時、東北社会人サッカーリーグ1部)より、福島県いわき市をホームタウンとする日本フットボールリーグ(JFL)「いわき FC」所属の選手を対象に、公式戦中に香りを活用して精神的な疲労の軽減や回復が見られるかの検証を行ってきた。
その結果、サッカー選手のパフォーマンス向上のための心理的なサポートとして、Restful Greenにより、 試合前、試合後の精神的ネガティブ(緊張感・不安感)や、試合前の身体的ネガティブ(疲労感)が軽減されることが判った。
Restful Greenは、ベレアラボ独自のノウハウに基づいてブレンドされた、新緑の透き通るようなさわやかな香りのモジュールで、過去の研究においてヒトに対して抗疲労効果やストレス軽減効果が認められた天然植物から抽出された成分を独自に組み合わせて作成したもの。ロート製薬では、この香りモジュールの持つ効果性については今後とも研究を重ねていく。
ベレアラボでは、「香り」を人間の感性という視点から科学的に検証し、新しい価値を追求し発信することで、健康的な社会づくりへの貢献を目指している。「いわきFC」は、「日本のフィジカルスタンダードを変える」を掲げ、最新の技術・知見・データ分析を積極的に取り入れながらフィジカル面の強化を行い、世界の第一線で活躍できる選手・チームを育成している。
一方で、「試合の前日に眠れない」などのメンタル的な残課題があり、精神的な疲労のサポート手段の発見が必須である状況であった。スポーツの世界ではメンタルコンディショニングが重要視されている中で両者の想いが一致し、「香り」という新しい手段による「精神的な疲労の軽減や回復をサポート」をテーマとした検証を行ってきた。
検証方法は、「いわき FC」所属の選手に試合前後と試合の合間にRestful Greenを嗅いでもらい、試合前・試合後にPOMSをベースとした気分に対する20の設問をヴィジュアルアナログスケールで回答するというもの。
同設問の回答結果により、①ポジティブさ、②精神的タフネス、③集中力、④勝気、⑤精神的ネガティブ(緊張感・不安感)、⑥身体的ネガティブ(疲労感)の 6項目に分類し集計・分析を行った。
今回は、2019年6月から10月にかけてホームグラウンドで行われた公式戦8 試合で、香りあり4 試合、香りなし4 試合を設定し、試合に出場する全ての選手対象に行った。延べ人数で香りあり56名、香りなし62名、合計118名のデータを分析した。
検証結果は次の通り。
①グリーンの香り(Restful Green)により試合前、試合後の精神的ネガティブ(緊張感・不安感)は軽減される。
「緊張している」・「不安だ」・「あれこれ心配だ」・「焦っている」という精神的にネガティブな要素は、試合前・試合後共に香りを使用した試合では香りを使用しなかった試合と比べて優位に減少した。
②グリーンの香り(Restful Green)により試合前の身体的ネガティブ(疲労感)は軽減される。試合前に感じる「ぐったりする」・「疲れている」・「体が重い」という身体的にネガティブな要素は、試合前において香りを使用した試合では香りを使用しなかった試合と比べて優位に減少した。
これらの結果を総合すると、精神的ネガティブの軽減は、緊張感や、不安、焦りを和らげ、身体的ネガティブの軽減は試合前の疲労感や、体の重さなどを改善しているため、Restful Greenの試合前後、試合合間への取り入れは、サッカー選手のパフォーマンス向上のための心理サポートとして効果的であることが判明した。
◆検証対象の8試合全てに出場した前田尚輝選手のコメント
ロッカールームにRestful Greenがあることで練習と試合の区別になった。「今日は試合だし楽しもう」とポジティブな気持ちに切り替わり、モチベーションに繋がったり、前日の疲れを引きずっていた時も、香りでゲームのスイッチが入って試合に集中でき、体が重く感じなかったりした実感がある。
香りは、気持ちの切り替えとリラックス効果があることを実感できたので試合以外でも、自分の部屋やホテルの部屋に香りをプラスすれば、日々をベストコンディションで迎えるための環境づくりに役立てられると思う。