
FRONTEOは10日、研究セキュリティ業務を支援する新アプリケーション「KIBIT Seizu Workflow」の提供を開始したと発表した。
同アプリは、本年4月に内閣府事業で開発を発表した「研究セキュリティ・リスクマネジメントシステム」を製品化したもの。既存の解析AIソリューション「KIBIT Seizu Analysis」と連携することで、経済安全保障リスクの可視化から審査・意思決定・証跡管理までの一気通貫支援を可能にした。
4月に発表したシステムの実証実験では、従来人手で実施していた場合と比較し、研究者の検索・同定からレポート作成までの時間を約9割削減できることが確認されている。
今回の一般提供開始により、大学・研究機関はもちろん、共同研究先の選定を行う一般企業や資金配分機関など、幅広い実務者にこの効果が提供できるようになった。
「KIBIT Seizu Workflow」は、研究セキュリティ審査やデューデリジェンス、リスク評価などの業務プロセスを効率化するとともに、審査結果や証跡の管理、レポート作成までを一元的に支援する。
また、「KIBIT Seizu Analysis」と一体的に活用することで、「KIBIT Seizu Analysis」の解析結果(研究者ネットワーク解析・サプライチェーン解析・株主支配ネットワーク解析)を、研究者・プロジェクト単位の審査、意思決定、証跡管理業務にシームレスに反映させることが可能となる。「KIBIT Seizu Workflow」の主な機能は、次の通り。
① 研究者・研究プロジェクト情報を一元管理
研究者管理画面では、研究者の氏名・国籍などの基本情報、専門分野・経歴・所属機関履歴などのプロフィール、論文・特許・受賞歴などの成果物情報に加え、ORCIDやresearchmap IDなどの外部IDデータと連携した情報を登録することが可能だ。
プロジェクト管理画面では、プロジェクト名、研究目的、実施期間、資金提供情報、参加研究者、研究成果などの情報を登録・把握できる。
② 研究セキュリティリスクを多面的に可視化・評価
「KIBIT Seizu Analysis」の研究者ネットワーク解析ソリューションと連携させることで、共著者情報や所属履歴、研究資金の提供元、制裁リストとの関連性、エンティティリスト掲載組織との共同研究・論文発表歴などを踏まえて、研究者や研究プロジェクトに関するリスクを多面的に評価できる。
また、FOCI(外国からの所有・支配・影響)、COI(利益相反)、みなし輸出管理対象、懸念外国人参加プログラムへの該当状況など、研究セキュリティ上の重要項目を登録できる。
③ リスク評価の経緯・軽減措置を証跡として記録・管理
リスク評価の判断根拠や結果に加え、評価後に実施したリスク軽減措置の内容を記録・管理できる。また、同一研究者やプロジェクトについて評価を複数回実施した場合も、それぞれの結果の履歴を保存でき、経時的なリスク管理を可能とする。
④ 申請・承認・報告ワークフローで透明性とトレーサビリティを確保
研究セキュリティに関する申請・承認ワークフローや報告書作成を支援し、審査結果や証跡を一元管理することで、透明性・トレーサビリティを確保しながら業務効率化を実現する。
FRONTEOは、革新的AI技術の研究開発と社会実装を通じて、大学・研究機関における研究セキュリティ体制の構築を支援していく。単独機関への個別導入にとどまらず、中核機関がハブとなりノウハウやシステム基盤を集約して提供する「機関間連携モデル(シェアードサービス)」の構築を目指し、予算や専門人材が限られる中小規模の大学・研究機関においても、財政状況に応じた最適なプランで高度なリスク管理体制の構築を可能にする。
「KIBIT Seizu」ソリューション群を、日本の研究セキュリティにおけるデファクトスタンダード(事実上の標準)へと成長させ、研究力強化を通じた国際頭脳循環に貢献していく。

