Johnson & Johnsonは5日、日本の膀胱がん患者を対象とした新たな横断調査により、現行の標準治療下の治療選択の場面において、多くの患者が健康関連のQOL低下や意思決定の葛藤を経験していることが分かったと発表した。
同横断調査は、患者が自信を持って治療を選べる状態を整えることの重要性を訴求するもの。加えて、症状の管理、患者さんと医師とのコミュニケーション、ならびに意思決定支援において、一般的な治療経路全体に共通する持続的なアンメットニーズが存在することを示している。
同調査では、215名の非筋層浸潤性膀胱がん(NMIBC)、または筋層浸潤性膀胱がん(MIBC)の治療を受けた患者を対象に、HRQoLおよび意思決定の葛藤に関する患者の報告アウトカムを定量的に評価し、標準治療の選択に直面する患者体験が明らかにされた。
同調査では、患者を日常診療で想定される①膀胱全摘除術を伴わず(BCG)膀胱内注入療法を受けたNMIBC患者、②BCG不応性で膀胱全摘除術を受けたNMIBC患者、③膀胱全摘除術を受けたMIBC患者、④膀胱温存療法を受けたMIBC患者ーの4つの治療経路に基づき分類。調査方法の概要、調査結果は、次の通り。
【調査方法の概要】
◆調査方法:日本における膀胱がんの標準治療を受けた患者のHRQoLおよび意思決定の葛藤を定量的に把握することを目的とした横断調査である。国際的に妥当性が確認された患者報告アウトカム指標を用いて実施した。
◆調査期間:2024年12月から2025年4月
◆調査対象:計215人(男性80.9%、年齢中央値74.9歳、就業率34%)、直近6か月以内にNMIBCまたはMIBCの治療を受けた患者
◆HRQoL評価:膀胱がん特異的モジュールを含むEORTC QLQ‑C30
◆意思決定の葛藤の計測:DCS測定
◆解析方法:記述統計およびSpearmanの順位相関係数
【調査結果】
◆調査結果について現行の膀胱がん治療における患者のHRQoL
すべてのコホート間で全般的HRQoLは同程度であり、共通の負担として疲労と将来に対する不安が認められた一方で、症状および機能のプロファイルはそれぞれの治療に特異的な特徴が示された。
◆膀胱全摘除術を受けた患者における負担
NMIBCおよびMIBCのいずれにおいても、膀胱全摘除術を受けた患者では、身体的・情緒的・認知的機能の低下に加え、ボディイメージの低下が示されており、膀胱全摘除術による身体的および心理的負担が認められた。
◆すべてのコホートで治療選択における意思決定の葛藤
すべてのコホートで意思決定葛藤尺度(DCS)の総スコアが中等度の葛藤を示す閾値(>25)を上回った。中でも、BCG不応性で膀胱全摘除術を受けたNMIBC患者では、重度の葛藤を示す閾値(>37.5)を上回り、より強い治療選択の葛藤を抱えていることが示唆された。
◆HRQoLの低下は意思決定の葛藤の増大と関連
全コホートを通して、HRQoLが低下するほど選択した治療に対する葛藤が大きいことが明らかになった。特に、身体機能・情緒機能・認知機能の低下、および呼吸困難・倦怠感・ボディイメージの低下は意思決定の葛藤の増大と相関していた。
◆ポーリン・エンJ&J Innovative Medicine Japan メディカルアフェアーズ本部本部長のコメント
本調査結果は、患者さんが直面している重要な課題を浮き彫りにしている。特に、医師や患者が長年にわたり進展を待ち望んできた疾患領域において、患者さんから報告されるこうした課題は見過ごされるべきではない。
私たちは、これらのアンメットニーズに対し、緊急性と目的意識を持って取り組んでいく。今後も、患者さんの尊厳と生活の質を守りながら、膀胱温存を支援するアプローチを含む有意義な治療選択肢を広げるイノベーションを追求していきたい。

