イミフィンジ・化学療法の併用療法 初めての進行胆道がん免疫治療薬として欧州で承認取得 アストラゼネカ

 アストラゼネカは16日、イミフィンジと化学療法(ゲムシタビン+シスプラチン)との併用療法について、切除不能または転移性胆道がん(BTC)成人患者の一次治療薬として、EU(欧州連合)で承認されたと発表した。
 欧州委員会による承認は、The New England Journal of Medicine Evidence 誌に掲載されたP3相 TOPAZ-1試験の主要な結果と、2022 年欧州腫瘍内科学会で発表された最新の結果に基づくもの。
 承認は、2022年11月の欧州医薬品評価委員会(CHMP)による承認勧告に従うものだ。
 中間解析では、イミフィンジと化学療法の併用により、化学療法単独と比べて死亡リスクが20%低下した(ハザード比 0.80、95%信頼区間 0.66-0.97、p=0.021)。
 追加の 6.5 カ月の追跡調査によるTOPAZ-1試験の最新結果では、イミフィンジと化学療法の併用により、化学療法単独と比べて死亡リスクが24%低下することが示され(ハザード比0.76、95%信頼区間0.64-0.91)、治療開始からの2年生存率は、イミフィンジと化学療法の併用(23.6%)で、化学療法単独(11.5%)の2倍超と推定された。
 追加調査時の全生存期間中央値は、化学療法単独群では11.3カ月であったのに対し、併用療法群で 12.9 カ月であった。
 胆道がん(BTC)は、胆管や胆嚢にできる希少で悪性度の高いがんである。毎年、欧州全体では21万1000人が胆嚢がんまたは胆管がんと診断されている。
 BTC の患者の予後は不良で、5 年生存率は約5~15%である。
 なお、同併用療法は、日本では「治癒切除不能な胆道癌」の効能又は効果で昨年12月23日に承認済である。

◆Juan W. Valle P3相TOPAZ-1 試験治験責任医師(英国・マンチェスター大学腫瘍内科教授)のコメント

 今回の承認は、悪性度が高いうえに見落とされることが多い胆道がん治療における重要な変換点であり、標準治療と比較して有意な改善を示す。胆道がんには新たな治療選択肢が10年以上なかったが、今回の承認によりEUの患者は初めて免疫療法をベースとした治療の恩恵を受ける機会を得られる。

◆Dave Fredricksonアストラゼネカオンコロジービジネスユニット エグゼクティブバイスプレジデントのコメント
 今回の承認により、イミフィンジと化学療法の併用療法は、EUの進行胆道がん患者さんが利用できる唯一の免疫療法ベースの治療選択肢となった。この承認は、肝胆道がん患者さんにとっての新たなより良い治療法に対する高いアンメットニーズに応え、生存率を改善するという当社の取り組みを強調するものである。

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