塩野義製薬は7日、HIVインテグラーゼ阻害剤「ドルテグラビル」開発が、令和8年度科学技術分野の「文部科学大臣表彰 科学技術賞(開発部門)」を受賞したと発表した。
今回の受賞は、エイズを引き起こすヒト免疫不全ウイルス(HIV)独自の酵素であるインテグラーゼを阻害することにより、HIVの増殖を抑える化合物「ドルテグラビル」の開発が高く評価されたもの。
文部科学省は、科学技術に関する研究開発や理解増進において、顕著な成果を収めた個人・団体を、科学技術分野の「文部科学大臣表彰」として讃えている。同表彰は、科学技術分野に携わる人材の意欲の向上を図り、日本の科学技術水準の向上に寄与することを目的としている。
従来の抗HIV薬によるエイズ治療は、死亡率を低減することが可能となったものの、複雑な服薬条件、副作用の発現、耐性ウイルスの出現など、依然として多くの課題を残していた。
ドルテグラビルは、1日1回・低用量の服薬に加え、薬物相互作用の懸念が少ないため併用薬との合剤化が可能となり、従来の抗HIV薬を組み合わせた多剤併用療法よりもアドヒアランスが改善された。
さらに、ドルテグラビルはP3試験において、重篤な副作用や耐性ウイルスが確認されなかった。加えて、先行する同作用機序の抗HIV薬に対する耐性ウイルスにも高い薬効を発揮した。
こうした優れた特性により、ドルテグラビルは従来のエイズ治療の課題を大幅に改善している。また、ドルテグラビルを主成分とする抗HIV薬の4製品は、グローバルで2400万人以上の治療に貢献しており、HIV治療の中心的な役割を果たしている。

