一人ひとりに合った健康づくりや予防的な健康行動への応用に期待

NECと弘前大学は、AIと健康ビッグデータを活用して約10年先の健康リスクを個人ごとに予測する検証を行った。
両者の共同研究として、2024年11月から2026年2月にかけて、NECの独自技術である長期予測AIと弘前大学COI-NEXT拠点が有する健康ビッグデータを活用。生活習慣病や身体機能、認知機能など複数の健康指標において、約10年先の健康状態の変化を個人ごとで予測する検証を実施したもの。
その結果、予測値と実測値の相関係数は0.67と、相関性が高く、高い予測精度を確認した。これにより、個人ごとの将来の変化を効率的かつ精度高く捉えられるようになるため、一人ひとりに合った健康づくりや予防的な健康行動に役立てることが期待される。
今回、同一人物を長期間追跡したデータが無くても、年代の異なる多くの個人の単年度の健康データを使って学習し、将来の健康状態の変化を予測できるNECの長期予測AIが活用された。
具体的には、年齢変化の一例として「現在60歳の人々の集団は10年後には現在の70歳の人々と似た傾向を持つ集団に変化する」という考え方に基づき、最適輸送アルゴリズムを用いて、年代ごとの健康データの分布を数学的に対応付ける。同一人物の将来データが無くても、この対応付けを活用することで、個人ごとの将来の健康状態の変化を推定できるようになる。
また、弘前大学が青森県弘前市などと共同で20年以上にわたり実施してきた「岩木健康増進プロジェクト」の健康ビッグデータを活用。同データは、身体機能・認知機能・生活習慣・食事・心理など約3000項目の多面的かつ網羅的な情報を個人ごとに収集した延べ3万人のデータから成り立っている。
健常者の経年変化を含む健康データが豊富にあることも、予防研究にとって大きな強みである。同技術により、将来の健康リスクの高まりを早期に予測し、生活習慣の改善や予防施策につなげるなど、先手を打った健康づくりが可能になる。また、自治体では、地域住民全体の将来の健康状態を見据えた施策設計や、費用対効果の高い介入先の選定への活用が期待できる。NECと弘前大学は、今後も関連技術の研究開発と社会実装をさらに推進し、個人と地域の健康づくりの高度化に貢献していく。
