
京都府薬剤師会は22日、同会館で2025年度第27回臨時総会を開催し、2026年度事業計画および収入支出予算を承認した。2026年度は、財政基盤を安定化させるため、会長主導の財政健全化プロジェクトを推進する。また、京都府薬会館問題では、本年4月に現在の土地を購入し、10年のスパンで次のアクションに移行していく。
新規事業では「地域医薬品提供体制構築推進事業の実施」、「PHRの社会実装に向けた先行事業の実施」、「京都府薬剤師会の収入及び支出の見直しと適正化」を掲げている。PHRの社会実装とは、個人の健康診断結果やライフログ(歩数・食事・睡眠)などのデータを、アプリなどを通じて企業・自治体が活用し、個人のニーズに応じた健康増進・介護予防サービスを日常生活に普及させる取り組みを意味する。継続事業には、「薬剤師の確保」、「災害薬事コーディネーター制度の整備」、「5疾患6事業に沿った事業展開(心不全、脳卒中、腎不全、医療的ケア児など)の推進」ーなどがある。
総会では、河上英治会長が、「2月8日の衆議院選挙で本会の藤田洋司先生が当選し、4人の薬剤師の国会議員(衆議院2人、参議院2人)が誕生した」と報告。さらに、「藤田衆議院議員は、この間まで医療現場で従事し、今も少し現場に出ている。国政や厚労省に生の医療現場の声を届けてくれる」と期待を寄せ、「既に厚労省の資料に対して、『実際の現場はこうだ』と指摘した事例も聞いている。是非これからもご支援をお願いしたい」と訴求した。

続いて藤田衆議院議員が「薬剤師として今まで培ってきた経験や地域での活動が当選に繋がった」と強調。その上で、「地域の代表として、そして国のためにしっかりと働くが、私の原点は薬剤師であり、医療、介護、福祉の代表でもある。皆さんと一緒に行動していきたい」と呼びかけた。
薬剤師を取り巻く環境は激しく変化し、医療DXの推進、医療機関でのタスクシフティングの推進など新しい分野への対応が求められている。
こうした中、京都府薬剤師会では、薬剤師にさらに高度な職能が求められる状況を念頭に、これまでの取組みを停滞させることなく迅速かつ的確に対応した持続可能な会運営を目指している。
京都府薬の2026年度予算は、収入合計2億3557万5000円、支出合計が2億8110万6000円。収支差額の4553万1000円は、前期繰越収支差額で補填する。
2026年度の主な事業計画は、次の通り。
◆財政基盤の安定化=会長主導の財政健全化プロジェクトを展開
◆会館問題解消に向かっての10年計画の検討=今年度4月に現在の土地を購入し、10年のスパンで次のアクションに移行していく
◆京都府薬剤師会学術大会の開催支援
◆インシデント・アクシデント・Good Job・カスハラ事例報告等の収集分析、情報共有
◆多職種連携の推進(訪問看護との連携強化、食支援における連携、研修会の企画・運営など)
◆かかりつけ薬局・薬剤師と病診薬剤師間の脳卒中連携モデル事業の実施
◆PHR社会実装実証事業への参画=2年後にスタートする健康増進支援薬局制度に備えて、個人のニーズに応じた健康増進などの情報をしっかりと収集する
◆モデル・コアカリキュラムに沿った実務実習体制の構築
◆災害薬事コーディネーターの設置要綱や育成について京都府と協議・検討を行い連携を図る
◆電子処方箋の普及への対応= 医療機関と薬局を繋ぐ電子トレーシングレポートシステムの臨床実装にかかる小規模実証実験などを実施する
◆健康サポート薬局の推進
◆第49回日本病院薬剤師会 近畿学術大会準備委員会の発足・運営
◆薬物乱用防止啓発活動(大麻など)の推進
◆学校薬剤師~避難所環境衛生対策マニュアル~の改訂
