アムシェプリ 承認されれば2026年度上半期に上市 住友ファーマ木村徹社長

木村氏

 住友ファーマの木村徹社長は17日、同社R&D説明会で会見し、非自己 iPS細胞由来パーキンソン病薬「アムシェプリ」(国際一般名:ラグネプロセル)について言及。
 「19日開催の薬事審議会で審議される。それを受けて後日、厚労大臣から承認の可否の判断が出される」と今後のスケジュールを示し、「進展があれば当社からもお知らせする」と語った。
 R&D説明会では、がん領域の「エンゾメニブ」(急性骨髄性白血病、P2)、ヌビセルチブ(骨髄線維症、P1/2)、SMP3124(固形がん、P1/2)や、基幹3製品特許切れ後の収益基板として期待されるCNS領域などの研究開発状況が報告された。
 木村氏はアムシェプリについて、「承認されるとすれば、おそらく条件期限付き承認になるだろう」とした上で、「期待通り承認された場合、薬価が決まった時点で上市を考えている」と述べ、「2026年度上半期の上市」を渇望した。
 アムシェプリの名称についても、「改善を意味する“アメリオレイト”と、想像と再生の象徴である古代エジプトの太陽神“ケプリ”を組み合わせた造語」と説明した。
 住友ファーマは今後の研究開発方針について、昨年5月、“Reboot 2027”で「抜本的構造改⾰の継続と並⾏して、研究開発型ファーマとしての基盤再建に取り組む」、「⾃社イノベーション基軸の価値創造サイクルを再構築することで復活への道筋をつける」を掲げている。

佐藤氏

 佐藤由美氏(常務執⾏役員R&D本部担当R&D本部⻑兼Sumitomo Pharma America社 Chief Development Officer)は、基本戦略として「当社の強みである低分子〜中分子薬とiPS由来細胞をモダリティの基軸とし、オンコロジーとCNSをコア疾患領域として選択と集中により機会を最⼤化・加速化する」と断言。
 加えて、「患者シグナルを早期に取得することを重視し、Value Inflection Pointを⾒極め、機動的な出⼝戦略を実⾏する」との戦略を示した。
 住友ファーマのCNS、オンコロジー領域には、研究後期の化合物や、26年度、27年度に臨床入りできる化合物が複数ある。その中で特にCNS領域は「有効性・安全性が確認された後、どのように進めて行くのか」が注目されている。
 佐藤氏は、「導出、共同開発、自社で進めるの選択肢がある」と指摘し、「その時の当社全体のパイプライン状況、開発予算などを勘案しながら社内で相談しながら決めていく」断言した。
 住友ファーマの中⻑期の研究開発目標は次の通り。①2027年度にエンゾメニブ上市、2028年度にヌビセルチブを上市する。

②2030年に向けて「米国iPS細胞-PDプログラム」、「DSP-0378」(進⾏性ミオクローヌスてんかん、発達性てんかん性脳症)、「パーキンソン病の症状改善薬」を上市する。

③2033年に向けて、「HLCR011」(日本、他家iPS細胞由来網膜⾊素上⽪細胞)、「DSP-3077」(米国、他家iPS細胞由来網膜シート)などの再生・細胞医療事業を拡大する。
 加えて、「造血器腫瘍」、「神経希少・変性疾患」「SMP-3124」(CHK1阻害剤、固形がん)を上市する。

 村田眞志(オンコロジー事業戦略担当兼Sumitomo Pharma America社 Lead Senior Vice President)は、がん主要開発2品目であるエンゾメニブ、ヌビセルチブの今後の戦略について言及。エンゾメニブは、「選択的メニン阻害剤としてベストインクラスを目指すポテンシャルがある」と強調した。
 急性白血病領域では、遺伝子変異に応じた治療薬が順次承認されているものの、依然として治療満⾜度は十分ではない。こうした中、エンゾメニブは単剤での有効性・忍容性に加え、ベネトクラクス/アザシチジン(Ven/Aza)併用での良好な有効性と安全性が確認されており、ベストインクラスとなる可能性が示唆されている。
 「現在実施中の検証的Ph2試験を加速し、KMT2A再構成またはNPM1の遺伝子変異を有する再発/難治性急性⽩血病を対象とした日米での承認取得、2027年度上市を目指している」と説明する村田氏。さらに、「単剤およびVen/Aza併用で得られた安全性・有効性プロファイルを生かし、初発急性⽩血病(寛解導⼊療法、維持療法)への適応拡⼤や、急性⽩血病以外疾患領域への展開など、さらなる開発機会を追求していく」戦略を明かした。
 一方、ヌビセルチブについては、「JAK阻害剤が標準治療となる骨髄線維症において、異なる作用機序を有する治療選択肢は極めて限定的である」と指摘し、同剤が秘める「PIM1阻害剤のファーストインクラスとなるポテンシャル」を訴求した。
 具体的に、ヌビセルチブは、単剤およびモメロチニブ併用で忍容性・有効性が確認されており、JAK阻害剤治療歴がある患者でも効果を示している。
 村田氏は、「これらのデータを踏まえ、承認申請の根拠とする検証的なP3試験を2026年度中に開始し、上市目標を2028年度に予定している」と明言。さらに、「骨髄線維症以外の疾患領域への展開を視野に、新規作用機序としての価値最⼤化を図る」
 SMP3124(CHK1阻害剤)は、住友ファーマが独自の技術を有するリポソーム製剤だ。CHK1阻害剤は、他社が先行開発し、メカニズム的な有効性は期待されていたが安全性に問題があり進捗していない。SMP3124について佐藤氏は、「幅広い固形がんを対象としている。現在、プラチナ耐性の卵巣がんで安全性・有効性のデータが取れている」と報告した。

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