第一三共は22日、ハーセプチン(抗HER2抗体薬物複合体[ADC])について、米国FDAより術前療法後のHER2陽性乳がんに対する「画期的治療薬」指定を受けたと発表した。対象は、術前療法後に乳房および/または腋窩リンパ節に浸潤性残存病変を有する再発リスクの高いHER2陽性乳がん。
今回の画期的治療薬指定は、2025年10月開催の欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2025)で発表された、術前療法後のHER2陽性乳がん患者を対象としたグローバルP3試験(DESTINY-Breast05)結果に基づくもの。今回の指定は、同剤にとって10番目の画期的治療薬指定となった。
乳がんにおいては、HER2陽性の再発・転移性乳がんの二次治療および三次治療、化学療法既治療のHER2低発現の再発・転移性乳がん治療、化学療法未治療のホルモン受容体陽性かつHER2低発現またはHER2超低発現の再発・転移性乳がん治療、HER2陽性の進行・転移性乳がんの一次治療に続いて6番目の指定となる。なお、同社のオンコロジーパイプライン全体では16番目の指定となる。
第一三共は、術前療法後のHER2陽性乳がん患者に同剤を速やかに提供できるよう、承認申請に向けた準備を進めている。

