キンモビ パーキンソン病オフ症でカナダでの承認取得   大日本住友製薬

 大日本住友製は16日、米国子会社のサノビオン社が、舌下投与フィルム製剤の「KYNMOBI(キンモビ)」(一般名:アポモルヒネ塩酸塩水和物)について、Health Canada(カナダ保健省)より、パーキンソン病に伴うオフ症状の改善を適応症として承認を取得したと発表した。
 同剤は、パーキンソン病に伴うオフ症状の治療剤として、カナダで初めて承認された舌下投与フィルム製剤。なお、キンモビは、5月に米国で同適応症での承認を取得している。
 カナダでは約9万4000人がパーキンソン病に罹患していると推定されており、さらに2031年までに50%増加すると試算されている。パーキンソン病は、アルツハイマー病に次いで2番目に多い神経変性疾患であり、その有病率は、世界人口の高齢化に伴い増加している。
 パーキンソン病に伴うオフ症状は、適切な薬物治療を行っていても再発または悪化するパーキンソン病症状(運動症状および非運動症状)であり、振戦(ふるえ)、固縮(筋肉の硬直)、寡動(動作緩慢)等の症状を特徴とする。
 これらの症状は、患者の日常生活の活動を妨げ、患者とその家族および介護者に不安を与え、負担となり得る。罹患後、40~60%のパーキンソン病患者がオフ症状を経験し、症状の発現頻度および重症度は、疾患の経過とともに悪化する可能性がある。同剤は、舌下で溶解するため、パーキンソン病患者は必要な時にオフ症状を改善できる。
 キンモビは、アポモルヒネ塩酸塩水和物(ドパミン作動薬)を有効成分として含有する新規の製剤であり、パーキンソン病に伴うオフ症状の治療剤としてカナダで初めて承認された舌下投与フィルム製剤である。
 1日5回までの服用が可能で、パーキンソン病に伴うオフ症状発現時に服用し、その症状を速やかに改善する。P3試験の結果、同剤投与群は、プラセボ投与群と比較して主要評価項目(投与開始から12週間後における投与 30分後のMDS-UPDRS Part Ⅲスコアの投与前からの平均変化量)を統計学的に有意に改善(変化量の差:7.6 ポイント)し、投与15分後から改善が認められた。
 重要な副次的評価項目(投与開始から12週間後における投与後30分以内のオン状態の患者の割合)についても、同剤投与群はプラセボ投与群と比較して、有意な改善を示した。
 また、同剤は、総じて良好な忍容性を示した。同試験における主な有害事象(本剤投与群で5以上に発現しプラセボ投与群より頻度が高かった有害事象)は、悪心、口腔咽頭反応、傾眠およびめまいであった。これらの試験結果については、本年2月1日、Lancet Neurology に掲載された。

タイトルとURLをコピーしました