アッヴィは29日、「リサンキズマブ」について、尋常性乾癬、乾癬性関節炎等の小児用法・用量追加承認申請を行ったと発表した。追加申請したのは、既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症に対する小児における用法・用量。
今回の申請は、中等症から重症の小児尋常性乾癬患者対象とした国際共同P3試験(M19-977 試験、M19-973 試験)結果に基づくもの。
リサンキズマブは IL-23 を選択的に阻害する生物学的製剤で、これまでに日本において7つの適応症に対する治療薬として承認されている。
乾癬は、慢性の炎症性皮膚疾患で、国内に約 43 万人の患者がいると推定され、小児の乾癬患者の割合は0~9歳が 0.8%、10~19歳が1.8%と報告されている。
主な症状として、皮膚に炎症が起きて赤くなり、皮膚の新陳代謝が異常になることで盛り上がり、表面に銀白色の鱗屑(りんせつ)が現れ、それがはがれ落ちるようになる。
乾癬の症状は、頭皮や爪など人目に付く部分に現れやすいため、患者は身体的負担に加え、症状による見た目の変化に対する周囲からのスティグマによって、社会生活や学業などのさまざまな場面において、患者のQOLに大きな影響を及ぼす可能性がある。また、小児乾癬は肥満、高脂血症、高血圧、糖尿病、クローン病等の合併も多く、乾癬とうつや不安との関連も報告されている。
近年、成人の乾癬患者に対しては、さまざまな治療選択肢が増えている。一方で、小児の乾癬患者を対象とした治療ガイドラインはなく、治療選択肢はいまだ限定されているのが現状だ。小児期に発症した乾癬は、成人期までの長期にわたる治療が必要であり、さまざまな合併症を伴うことが多いとされている。
こうした状況から、小児の乾癬患者さんに対する新たな治療選択肢へのアンメットニーズがあると考えられる。

