「サイトライン・ジャパン・アワード 2025」で肥満症治療薬「ゼップバウンド」がBest New Drug受賞 日本イーライリリー

「Best New Drug」受賞の様子

 日本イーライリリーは24日、CITELINE社が主催する「サイトライン・ジャパン・アワード 2025」において、同社の肥満症治療薬「ゼップバウンド」がBest New Drugを受賞したと発表した。
 同賞は、2024年7月1日から2025年6月30日までに日本で承認された、治療分野で最も進歩をもたらした医薬品に贈られるもの。低分子医薬品、生物学的製剤、細胞・遺伝子治療、デジタル治療、ワクチン製品を対象としている。
 ゼップバウンドは、グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)とグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)の二つの受容体に作用する持続性GIP/GLP-1受容体作動薬。複合的な要因からなる慢性疾患である「肥満症」を効能・効果として2024年12月27日に承認された。
 ゼップバウンドは、天然GIPペプチド配列をベースとした単一分子であるが、GLP-1受容体にも結合するように改変されており、選択的に長時間作用するため週1回投与が可能である。
 1回使い切りのオートインジェクター型注入器「アテオス®」により、週1回皮下注射で投与される。用量も同様に2.5mg、5mg、7.5mg、10mg、12.5mg、15mgの6規格のラインナップで、状態に応じての使い分けできる。日本におけるゼップバウンドの提供については、田辺三菱製薬が流通・販売を行い、日本イーライリリーと共同で情報提供活動を行っている。
 また、同アワードで、アルツハイマー病による軽度認知障害および軽度の認知症に対する治療薬「ケサンラ」(一般名:ドナネマブ(遺伝子組換え)も「Best New Drug」ファイナリストに選出された。
 ケサンラは、脳内のアミロイドβプラークの除去を目的に創製されたヒト化抗N3pGアミロイドβモノクローナル抗体製剤である。
 日本イーライリリーは、2024年9月24日に「アルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症の進行抑制」を効能・効果として、ケサンラの日本国内における製造販売承認を取得している。

◆小嶋毅彦日本イーライリリー執行役員営業本部長兼ダイアベティス・オベシティ・心・腎領域事業本部長のコメント
 肥満症は、QOLの低下だけでなく、さらに他の健康障害を引き起こすリスクや、既に患っている他の疾患を悪化させるリスクがある。一方、肥満や肥満症には、当事者も含めた社会の誤解や偏見、いわゆる『オベシティ・スティグマ』が社会課題として存在し、病気であるという理解や必要な治療の妨げとなっている。
 社内外の皆様との協働を通じて、肥満症への正しい理解の促進とともに、ゼップバウンドを必要とされている当事者の人々に適切にお届けできるよう尽力していく。

「サイトライン・ジャパン・アワード 2025 Best New Drug」
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