標的α線核医学療法の革新的がん治療薬創出でVeneno社、アルファフュージョン社と共同研究開始 田辺三菱製薬

 田辺三菱製薬は10日、Veneno社(本社:茨城県つくば市)、およびアルファフュージョン社(本社:東京都)と共同で標的α線核医学治療(TAT)の開発に向けた研究を、2025年6月末より日本国内にて開始したと発表した。
 同共同研究では、Veneno社が有する独自のペプチド取得技術「PERISSTM法」と、アルファフュージョン社が開発した新規α線核種「アスタチン-211」のプラットフォームを融合させ、がん細胞を高精度に標的とし、薬剤を効果的に送達する次世代治療薬の創出を目指す。
 Veneno社の技術は、従来の直鎖型ペプチドに比べて生体内での安定性が高く、標的選択性に優れているジスルフィドリッチペプチド(DRP)を自由に創製できる点が特長である。
 一方、アルファフュージョン社が取り扱うアスタチン-211とその導入技術によって創製される新規TATは、安全性と投与設計の柔軟性に優れ、従来治療が困難であったがん患者さんへの新たな選択肢として期待されている。
 田辺三菱製薬は、両社の先進技術を融合することで、がん治療における新たなイノベーションを創出し、患者に対してより有効な治療手段を提供することで、多くの患者のQOL向上を目指していく。
 なお、同共同研究は、田辺三菱製薬がVeneno社およびアルファフュージョン社とそれぞれ個別に締結した契約に基づき進められる。三社がそれぞれの強みを活かすことで、ペプチド技術・α線核種プラットフォーム・製薬開発ノウハウを統合し、次世代がん治療薬の迅速な実用化を推進する。

タイトルとURLをコピーしました