ロート製薬は、花粉症シーズンの本格的な到来を前に、「小中学生の花粉症実感に関する全国調査」を実施した。
その結果、小中学生の48%が花粉症の症状を感じていて、都道府県別にみると山梨県においては67.6%とおよそ3人に2人が花粉症を実感しているということが判明した。
また、ロート製薬独自に、10項目・各0~10段階の指標で算出した「花粉症辛さ指数」の小中学生の平均は44.1ポイント(最大100ポイント中)で、中でも気分やストレスへの影響が最も高くみられた。小中学生の花粉症対策率は70.2%で、花粉症を発症してから花粉症対策を始めるまでの期間が長くなると「花粉症辛さ指数」も高くなる傾向があった。花粉症の辛さを軽減するには早めの対策が重要であると考えらる。調査概要、調査サマリー、調査の詳細は次の通り。
【調査概要】
◆調査対象:小中学生のこどもを持つ親1万4231人 調査方法:インターネット調査
◆調査機関:自社調査 調査期間:2024年12月13日~20日
【調査結果サマリー】
◆PART1:小中学生の花粉症実感率
・全国の小中学生の花粉症実感率は48%
・小中学生の花粉症実感率1位山梨県67.6%、2位群馬県63.0%、3位静岡県62.6%
◆PART2:小中学生の「花粉症辛さ指数」
・小中学生の花粉症の「辛さ指数」は平均44.1ポイント
・「花粉症辛さ指数」1位は岐阜県、2位は山梨県、3位は埼玉県
・症状で最も辛いのは「鼻水・鼻詰まり」、最も影響があるのは「気分やストレス」
◆PART3:小中学生の花粉症対策
・花粉症を実感している小中学生への花粉症対策率は平均で70.2%
・対策率1位は福島県、2位は千葉県、3位は神奈川県と山梨県
・対策内容1位「マスク」、食生活では地域ならではの食品摂取も
◆PART4:小中学生の花粉症対策開始のタイミング
・花粉症の発症年齢は平均6.5歳、対策開始年齢は平均7.0歳と、発症後すぐに対策を始める親が多い
・花粉症を発症してから対策を始めるまで1年以上だと「花粉症辛さ指数」は49.8ポイントと平均より高い
コラム:花粉症対策模範県と親子花粉症実感率
・親も花粉症を実感している「親子花粉症実感率」は79.5%
・花粉症対策模範県の神奈川県では、親の花粉症実感率が全国1位の90%
◆PART5:医師・大久保公裕先生の解説
・花粉症を発症したら早めの対策で辛さを軽減
【調査結果の詳細】
◆PART1:小中学生の花粉症実感率
小中学生のこどもを持つ親に対してこどもの花粉症実感について質問したところ、「花粉症と診断された」または「花粉症だと思う」と回答したのは全国で48%に上り、小中学生のおよそ2人に1人が花粉症を実感していることが判った。
都道府県別に見ると、花粉症実感率1位の山梨県では、67.6%と小中学生のおよそ3人に2人が花粉症を実感しているようだ。続く群馬県、静岡県、岐阜県、東京都、三重県でも小中学生の花粉症実感率は60%を超えており、多くの小中学生が花粉症の症状を感じていることが判明した。
◆PART2:小中学生の「花粉症辛さ指数」
今回、花粉症の辛さをロート製薬独自に、10項目・各0~10段階の指標でポイント化し、「花粉症辛さ指数」を算出した。
・「花粉症辛さ指数」の算出方法
以下の10項目について、「まったく辛くない」または「まったく影響がない」を0ポイント、「最も辛い」または「最も影響がある」を10ポイント、として、0から10までの段階で回答を聴取し、それを足し上げたポイント(最大100ポイント)を「花粉症辛さ指数」とした。
<花粉症の症状>
○目のかゆみ
○鼻水・鼻詰まり
○くしゃみ
○喉や皮膚のかゆみ
○倦怠感
<生活への影響>
○睡眠
○勉強
○外出や遊び
○運動
○気分やストレス
その結果、小中学生の花粉症の「辛さ指数」は全国平均で44.1ポイントであった。
都道府県別に見ると、1位は岐阜県、2位は山梨県、3位は埼玉県であった。大きな傾向としては、花粉症実感率が高い都道府県ほど「花粉症辛さ指数」も高い結果となった。
一部例外はあるが、花粉症実感率が上位の都道府県は、個々の重症度も高い傾向があるようだ。
「花粉症辛さ指数」の内訳を見ると、小中学生にとって最も辛い花粉症の症状は「鼻水・鼻詰まり」で、日常生活への影響が最も大きい項目は「気分やストレス」であった。花粉症が小中学生に与える影響は、身体的な症状だけでなく、精神的な負担をも増幅させている可能性が考えられる。
◆PART3:小中学生の花粉症対策
花粉症を実感している小中学生に対して、花粉症対策を実施している親は全国平均で70.2%であった。都道府県別に見ると、対策率1位は福島県、2位は千葉県、3位は神奈川県と山梨県であった。
対策率が高いにもかかわらず「花粉症辛さ指数」が高い都道府県も多く見られ、花粉症対策が症状の重さに十分に対応しきれていないケースがあることがわかる。
花粉症対策の内容としては、1位が「マスクの着用」であった。「食生活など生活習慣を改善する」と回答した人も11.8%おり、その内容の中には、和歌山の人が「ジャバラを食べる」、静岡県の人が「べにふうき茶を飲む」といった地域の特産品を摂取する対策方法も見受けられた。
◆PART4:小中学生の花粉症対策開始のタイミング
花粉症を実感している小中学生が、花粉症を発症した平均年齢は6.5歳であった。また、花粉症対策を開始する平均年齢は7.0歳であることが分かった。多くの親が子どもの花粉症発症後、比較的早い段階で対策を始めていることが伺える。
一方で、花粉症を発症してから対策を始めるまで1年以上かかった場合、こどもの「花粉症辛さ指数」は49.8ポイントと平均より高い傾向にあることがわかった。花粉症の辛さを軽減するには、症状を感じたら放置せずに早めに対策することが鍵なのかもしれない。
・コラム:花粉症対策模範県と親子花粉症実感率
花粉症を実感している小中学生の親のうち、親自身も花粉症を実感している割合(親子花粉症実感率)は79.5%であった。多くの家庭で花粉症が共通の課題となっているようだ。
また、「花粉症実感率は高い」が、「花粉症対策率が高」く、「花粉症辛さ指数が低い」、つまり“花粉症対策がうまくいっている”と推察できる都道府県は神奈川県であった。“花粉症対策模範県”ともいえる神奈川県では、実は親の花粉症実感率が全国1位の90%であった。親自身の花粉症の経験から、こどもの花粉症対策への意識が高いのかもしれない。
◆PART5:大久保公裕日本医科大学大学院医学研究科頭頸部・感覚器科学分野教授の解説
今回の調査では、小中学生の花粉症実感率は48%に達し、中には山梨県のように67.6%と約3分の2の子どもが花粉症を実感している地域もあることがわかった。この実感率の高さは、学業や日常生活への影響を懸念させる重要な課題である。
一方で、神奈川県のように花粉症実感率が高くても「花粉症辛さ指数」が低い地域もあり、適切な対策が辛さ軽減に効果的であることを示唆している。辛さを軽減するには、症状を感じたタイミングで、特にこどものうちから適切な対策を講じることが重要である。 まずは医療機関を受診し、医師の診断のもとで自身の症状に合った薬を適切に選び、できるだけ早い段階で対策を開始することが、辛さを抑える鍵となる。薬の使用に加え、マスクの着用や空気清浄機の活用、帰宅後の花粉払いなど、日常生活の中で花粉回避策を徹底することも効果的だ。
また、親が花粉症の場合、子どもも花粉症を発症しやすい傾向があり、特に両親ともに花粉症の場合はその可能性はさらに高まる。その一方で、親自身が花粉症を経験しているからこそ、こどもの花粉症対策への意識が高まり、早期の対策開始や適切な対応につながるケースも考えられる。
花粉症対策としての食生活改善では、和歌山県でジャバラが食べられていたり、静岡県でべにふうき茶飲まれているなど、地域の特産品を活用した対策もあるようだ。これらの食品にはポリフェノールが含まれており、花粉症対策に補助的な効果が期待できる。
今回の調査結果は、花粉症対策の早期対応の重要性を改めて示している。対策の遅れが「花粉症辛さ指数」を高める原因となるため、症状を感じたら自己判断で放置せず、速やかに医師の診断を受け、自分に合った薬を選び、早めの対策を徹底することが重要である。
ロート製薬の花粉症対策情報https://jp.rohto.com/rohto-alguard/
直近の取り組みとして、同社は2025年大阪・関西万博で「大阪ヘルスケアパビリオン」へ協賛出展していく。ミライの医療やヘルスケアの領域で、人々が自分の可能性を見出し、前向きな一歩を踏みだすことを狙いとしたパビリオンで、PHRデータを利用して「ミライのアイケア」を体験できる展示を行うhttps://www.rohto.co.jp/expo2025/。
ロート製薬社は、アイケアのリーディングカンパニーとして、今後もさまざまな提案を通じて少しでも多くの人に、自分の目や大切な人の目について気づき、考え、行動するきっかけを提供する。