生理痛やPMSの症状が理解されず約6割の人が辛い思い ツムラが理解度調査

 ツムラは、3月8日「国際女性デー」を前に15歳〜49歳の生理の経験がある6000人を対象に「生理・PMS(月経前症候群)への本音調査」、15歳〜49歳の男女1万5000人を対象に「生理・PMSへの理解度調査」を実施した。その結果、生理痛やPMSでの症状は、様々かつ個人差が大きいことから、自分の症状が客観的に把握できていない人が多いことが判った。また、これらの調査結果について、霞が関ビル診療所の丸山綾氏がコメントした。


 「生理・PMS(月経前症候群)への本音調査」では、生理痛やPMSによる症状が辛くても約5割は周りに伝えず、約6割が辛い思いを経験した。
 生理痛やPMSの症状で辛くても「周りの人に伝えない」が 49.8%で、理由は「表現しにくい」「わかってもらえない」「我慢するものだから」が多くを占めた。【図2-1、図2-2】
 生理痛やPMSについて周囲の人に理解してもらえず、約6割が「辛い思いをした」61.9%。【図4-1】
 個人差の大きい生理痛やPMSは、自分自身の症状でも約7割は客観的に把握できなかった。
 生理前や生理中の症状には「腹痛」「腰痛」「イライラ」「頭痛」「眠気」など、さまざまな症状があり、各症状にはそれぞれ複数の感じ方があった【図6】
 約7割は「自分の症状の程度がわからない」と回答。また「医学的に知りたい」人も63.4%。【図9】
 
 一方、「生理・PMSへの理解度調査」では、約6割は「生理やPMSについて対話する機会がない」62.6%(男性59.4%、女性65.9%)が、一方で「生理やPMSについて話題にすることはタブーではない」61.2%(男性55.9%、女性66.6%)となった。【図14】
 生理やPMSの知識を得ると、「辛そうな人を気にかけられる」(30.7%)、「辛そうな人に優しく接しようと思う」(26.0%)、「無理に我慢せず自分の体を気遣えるようになる」(22.8%)。【図13】
 生理やPMSの知識を得るメリットは、「我慢をしない・させない社会」への第一歩となる。
 
◆霞が関ビル診療所 丸山 綾氏のコメント
「隠れ我慢よりハッピーのススメ」

「わかってもらえないから我慢する」のではなく、「自分でできる選択をしてみる」にシフトして

 今回の調査では月経痛やPMSに対してさまざまな痛みの表現が寄せられ、感じ方は人それぞれで全く違っている。痛みの感じ方は、個人差があり他人と比較することはできない。従って、「痛みをわかってもらえないから我慢する」と考えるよりも大切なのは「ご自身でできる選択をしてみる」こと。
 例えば、医療機関を受診するなど、症状を緩和させる方法を考え行動することも、一つの選択肢だと思う。自分の今の痛み、月経痛やPMSにどう対処するか、ご自身の体について向き合ってみる(考えてみる)ことも大事だ。婦人科医には、あなたの痛みを緩和し改善するためのノウハウがある。

詳細な調査結果は次の通り。

◆約6割が生理痛やPMSの症状による辛さを理解してもらえない経験あり  

 生理痛やPMSで辛くても、49.8%は周りの人に伝えておらず、その理由には 「表現しにくい」「わかってもらえない」「我慢するものだから」等が挙げられた[図2-1、図2-2]。
 また、約6割が、自身の生理痛やPMSの症状を周囲の人に理解してもらえず、辛い経験をしたことも判った[図4-1]。

[図2-1]
[図2-2]
[図4-1]

◆生理痛やPMSの症状は個人差が大きい   

 生理痛やPMSによる症状の感じ方を聞くと、腹痛でも「ズーンと重い」や「ギューッと絞られている」「ズキズキ」など、感じ方は人それぞれで、生理前や生理中に感じる症状に、その感じ方も含めれば組み合わせは何通りにもなり、生理痛やPMSは個人差が大きいと考えられる[図6]。

[図6]
 

◆生理痛やPMSについて、実は約7割が自分のことにもかかわらず、「客観的にわからない」と回答

 生理痛やPMSに対する捉え方を聞くと、「生理に伴う症状の重さが正常なのか異常なのかがわからない」67.5%、「自分の症状の程度が客観的にわからない」67.1%、など客観的に自分の症状を捉えられていないことが判った[図9]。

[図9]

◆生理やPMSについて「正しく知る」ことが、我慢をなくす第一歩

 生理やPMSについて知識を得て良かったことを男女1万5000人に聞くと、「辛そうな人が身近にいた際、気にかけられる」30.7%、「辛そうな人に優しく接しようと思う」26.0%、などの意見が上位に挙げられた[図13]。
 生理やPMSに関して正しい知識を得ることは、自分だけでなく、周りの人への気遣いや理解も含めて、より適切な対応につながり、心身の不調への我慢のない社会に向けた第一歩になるとも考えられる。

[図13]

◆生理やPMSに関して、男性も女性もほぼ同じイメージで捉えている

 男女1万5000人の約6割の人が生理やPMSについて対話する機会がないと回答。また、生理やPMSについて話題にすることも約6割の人が「タブーではないと思う」 と回答した。男性でも半数以上が「タブーではないと思う」と答えており、生理やPMSについて触れることがタブーという風潮は薄まってきているようだ。
 生理やPMSに対するイメージを見ると、男女差はさほどなく、社会全体の理解が課題であると考えられる[図14]。

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